mpe氏の投稿作品

青い巨星 ランバ=ラル
「機動戦士ガンダム」登場キャラクター 主な搭乗MS:YMS−07B(グフB型先行試作機)



彼の父『ジンバ=ラル』は『ジオン=ズム=ダイクン』と共に革命活動を行い"ジオン共和国"成立させた。
無論、彼自身もその革命活動に参加しており建国に貢献した革命家の一人である。

しかしザビ家の謀略によりジオン=ダイクンは死亡、その後『デギン=ソド=ザビ』が公王として立つ。つまり"ジオン共和国"から"ジオン公国"へと体制を変えたのだ。その際にジンバ=ラルはジオンの遺児である『キャスバル=レム=ダイクン』と『アルティシア=ソム=ダイクン』と共に地球へと逃れる。
しかし既に成人していた彼は公国に残り、ジオン=ダイクン派の者が次々と失脚されていく中、『ドズル=ザビ』配下の宇宙攻撃軍で数々の業績を残し、ドズルの大きな評価を得た。

だが、彼はジオン=ダイクン派であるジンバ=ラルを父に持つ為、昇進という言葉が通常以上に遠い存在であったのだ。そんな立場にありながら大尉にまでのし上がったのは素晴らしいことだ。

何故彼はそんな不遇な状況でジオン公国に残ったのだろうか?

多く説はあるが僕は『クラウレ=ハモン』の存在が大きかったように思う。
ハモンはラルの愛人であり、気品豊かな女性である。一説にはジオン=ダイクンの愛人であったとも言われている。彼はハモンを愛するが故、命からがらハモンと二人地球に逃げ延びたとしても生活していくのも苦しいような状態になるのが辛かったのではないだろうか。自分が、ではなくジオンの側にいたハモンにそのような生活を強いるのが。

そしてガルマ=ザビが死に、ドズルは実弟であるガルマの仇討ち部隊を編成する。その部隊の隊長にランバ=ラルを任命するほどにドズルがラルに信頼をおいていたのかがわかる。
ドズルは政治的なこだわりよりも、戦士としての資質というか勇猛さを好む。だからこそラルがジオン公国において昇進できない状況を良しとはしていなかったのである。そしてドズルは仇討ちの任務が成功した暁にはラルの2階級特進を約束した。ここにもドズルのラルに対する感情が見える。

ラルはハモンだけでなく、自分に忠臣を誓う部下の生活にも気を配っていた。旧体制の貢献人物であったラルがジオン公国に残り、思想の違いを捨ててまで。軍人でありつづけた理由がそういった事情からであるとするなら僕は目頭が熱くなる。

ハモンはザビ家の私怨からくる仇討ち作戦に自分の情人であるラルが参加することを良くは思っていなかった。だがラルは

「確かに今回のことはザビ家の恨みから来ている しかし木馬を討ち取ったら わしは2階級特進だ。 部下の生活の安定にもつながる」

ハモンが部下達の為かと聞き返すと

「お前の為でもある 中佐になったならザビ家により近い暮らしができる」

と答えたのだ。僕は気負いせずにこの台詞を言えるランバ=ラルという人が好きなのだ。ジオン=ダイクンの愛人であったハモンにいい暮らしをさせてやりたい。その為にラルはザビ家派の人間たちが台頭するジオン公国において、ジオン=ダイクンへの忠誠を通しながら、尚も昇進を望んだのだ。それがどれほどの苦難の道であろうか!!

しかし彼はガルマ=ザビの仇討ち作戦中に命を落とすことになる。戦場で『セイラ=マス』と名を変えた『アルティシア=ソム=ダイクン』と出会った為に。これほど報われない話があるだろうか!?

ザビ家の中でジオン=ダイクンへの忠誠を通しながら戦ってきた彼がザビ家の私怨からくる仇討ち作戦で!忠誠を通してきたジオン=ダイクンの遺児であるセイラ出会ったことで、その命を落としてしまったのだ。僕はそんな彼を見るたびに憧れと、同情を同時に感じている。守るものが多すぎたのだ、彼には。

忠誠心(正義)、部下、愛人…そしてそのどれかが欠けたとしても彼のあの人格は成り立たなかっただろう。だからこそ僕は「機動戦士ガンダム」という作品の中で彼に出会えたことを何よりも嬉しく思う。


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