空白部分を埋める短編

装甲騎兵ボトムズ1話モノOVA
装甲騎兵ボトムズ ザ・ラストレッドショルダー

1985年 本編の「ウド編」と「クメン編」の空白を埋める物語。

簡単解説
ウドでゴウト達とはぐれてしまったキリコは、流されて行きついた「バカラシティ」でかつての戦友、元レッドショルダー隊員の「グレゴルー」「ムーザ」「バイマン」と再会。4人は終戦間際に生還不可能な作戦参加させられ、九死に一生を得ている。自分達を殺そうとした指揮官「ヨラン・ペールゼン」を暗殺する為、4人はスクラップから4体のATを組み上げる。


本作はTV本編の「ウド編」と「クメン編」をつなぐ作品である。その為キリコ達の復讐劇というメインストーリーの影に本編で見え隠れしていた「イプシロンのフィアナへのこだわり」「レッドショルダーと呼ばれる者達」といった設定を補完している。

そして本編のオリジナルAT「ブラッドサッカー」は非常に魅力的な機体である。ブラッドサッカーはデライダ高原でペールゼン(レッドショルダ隊の創設者)の私兵になった元レッドショルダー隊員が地下基地警護に用いていた高性能H級ATである。羽飾りを思わせる大型アンテナを装備した「赤い右肩」と「ブラッディライフル」なるマシンガンを装備する等、正にレッドショルダーのプライドを示す機体なのである。

この「ブラッドサッカー」は目覚めたばかりの「イプシロン」が乗るなど劇中大活躍を見せるのだ。この機体だけでもこの作品を見る価値があるだろう。更にOVAではレッドショルダーの象徴である「赤い右肩」を非常に効果的に演出に取り込んでいる。この右肩の描写も要チェックだ。



装甲騎兵ボトムズ ビックバトル

1986年 本編最終話「脱出」のクエント脱出からコールドスリープまでを埋める物語。

簡単解説
クエント星脱出後、立ち寄ったア・コバの街でキリコ達はマッチメーカーのチェロキーから高額の対戦カードを持ちかけられる。そのバトリングはバララントのPS「ラダァ・ニーヴァ」と専用AT「エクルビス(リングネーム:デンジャーメロン)」のテストも兼ねていた。フィアナを人質に取られたキリコは、地上戦艦対ATという前代未聞のバトリングを行う。


本編は上記した通り、本編最終話「流星」のクエント脱出からコールドスリープまでの間を埋める作品であり、脚本を小説「装甲騎兵ボトムズ外伝〜青の騎士ベルゼルガ物語〜」の作者「はままさのり」氏が手掛けている。また登場するバララントのPS専用AT「エクルビス」の設定も氏が手掛けており、どことなく「ベルゼルガ物語」の「黒き炎」を思わせる異色のATである。

この「エクルビス」、右手にパイルバンカー、左手にミサイル内蔵のクラブクロー、胸部にも機関砲を装備する重装備ながら、宙返りまでしてしまう恐るべき運動性を誇るATなのだ。更にパイロットであるPSのニーヴァはレッドショルダーに恨みを抱いており、その憎しみをキリコにぶつけるのだ。そういった裏での演出がうまく最後のバトリングに昇華されている。

また本作ではキリコが右肩を赤く塗り、極限まで装甲を取り外し機動性を向上させた「ライト・スコープドック」に、ル・シャッコはスコープドックをベルゼルガに似せて改造した「ベルゼルガイミテイト」に乗っている。特にシャッコの「ベルゼルガイミテイト」にはクエント人の誇りが感じられるユニークな機体だ。



装甲騎兵ボトムズ 
レッドショルダードキュメント〜野望のルーツ〜


1988年 キリコのレッドショルダーでの戦いを描く物語

簡単解説
キリコが惑星オドンを本拠地とする「吸血部隊レッドショルダー」に入隊するが、基地に着いたキリコを待っていたのはより強い兵を生き残らせる為の「共食い」と呼ばれる試験であった。


この作品は、キリコがレッドショルダーに転属されてから休戦までを描く本編のプロローグである。また「ザ・ラストレッドショルダー」にて描かれた「生還不可能な作戦」をラストに描いており、ここでもキリコを殺そうとするリーマン機の「赤い右肩」の演出が効果的に使用されている。

しかし本編の見所はなんといっても「キリコの死なない性質」であろう。異能生存体としてのキリコの不死身ぶりが丁寧に描かれているのだ。ちなみに「ザ・ラストレッドショルダー」でキリコと共闘した「グレゴルー」「ムーザ」「バイマン」も登場する。特にラストシーンでの彼等の「ふてぶてしさ」は凄まじくカッコ良い。



その他のOVA作品

「装甲騎兵ボトムズ vol.1」1985年
「勇者シリーズ」の初期作品を手掛けた谷田部勝義氏が構成を担当した本編全52話のダイジェスト。この手の作品の常でTV版とは微妙に異なる。


「装甲騎兵ボトムズ vol.2」1985年
高橋良輔監督と銀河万丈氏によるTVシリーズ予告編、各主題歌、挿入歌を収録する。ココナ役の川浪葉子が歌う「たのまれグッバイ」が新たに作画されている。


「装甲騎兵ボトムズ ウド」1986年
TVシリーズ第1話から第13話までの総集編。OP、EDがプラモデルのディオラマ映像になっている。「装甲騎兵ボトムズ クメン」1986年TVシリーズ第14話から第27話までの総集編。「ウド」と同様OP、EDがプラモデルのディオラマ映像になっている。


「装甲騎兵ボトムズ サンサ」1986年
本編のサンサ編の総集編。「ウド」「クメン」と同様OP、EDがプラモデルのディオラマ映像になっている。


「装甲騎兵ボトムズ クエント」1986年
本編のクエント編の総集編。谷口守泰氏による新作OPと塩山紀之氏による新作EDになっており、OPにはOVA「ザ・ラストレッドショルダー」に登場するATブラッドサッカーの姿も(ほんの一瞬であるが)見られる。


「機甲猟兵メロウリンク」1988年
高橋良輔氏原作、神田武幸氏監督で制作された本編のサイドストーリー。生身でATと戦うという最悪の「機甲猟兵」に降格され、ジジリウム強奪の濡れ衣を着せられたシュエップス小隊の生き残り、メロウリンク・アリティの復讐劇を描く。生身の人間対ATという「ボトムズらしい」戦いが繰り広げられる。


「装甲騎兵ボトムズ〜赫奕たる異端〜」1994年
「最終回以降の続編は絶対に作らない」という発言を覆した高橋良輔氏入魂のOVA作品。コールドスリープから目覚めたキリコと宗教組織「マーティアル」の闘いを描く。新ヒロイン「ティタニア」はPSではなく副脳を持つサイボーグ「ネクスタント」という設定が与えられていた。


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