心に染みる感動傑作

アイアン・ジャイアント

1999年 監督・原案ブラッド・バード アメリカ映画(アニメーション)
アニー賞9部門独占受賞作品
声の出演:イーライ・マリエンタール、ビン・ディーゼル、ハリー・コニックJr、他
日本語吹替え:進藤一宏、郷里大輔、井上和彦、日高のり子、他

簡単解説
メイン州の小さな港町。9歳の「ホーガース」は森で鋼鉄の巨人「アイアン・ジャイアント」に遭遇する。とにかく巨大だが人なつっこく、自分が何者かも知らない無邪気なアイアンに触れホーガースはたちまち友達になる。そんなアイアンを守ってやろうと決心した彼は自宅のガレージにアイアンをかくまうが、巨大ロボットを見たという噂が広まりついには政府のエージェントまで派遣される。ホーガースは変わり者の芸術家「ディーン」とアイアンを守ろうとするのだが…。


今回は「大惨事」初の海外作品、しかもハリウッド映画(アニメなんだが…)「アイアン・ジャイアント」の紹介である。この作品は上記した通り、アニメーション界のアカデミー賞とも言える「アニー賞」で9部門独占受賞を果たしており、ディズニースタジオ出身で衛星放送チャンネルでお馴染みの「シンプソンズ」等を手掛けたブラッド・バード氏が監督・原案を務めている。またキャラクターデザインに「スターウォーズ」旧3部作のジョー・ジョンストンを起用している。こういった一流のスタッフが仕上げた本作は、超一級の感動作に仕上がっている。

さて、本編であるがこの「アイアン・ジャイアント」は1950年代を舞台としており、ちょうどその頃実際に起きた原紙爆弾の開発や人類初の宇宙船スプートニク号の話も作中で描かれている。そしてなによりホーガース少年とアイアン・ジャイアントの交流が非常に丁寧に描写されている。ホーガース少年とアイアンが出会ったのは森の変電所であり、電線に絡まって感電しているアイアンをホーガースが助けたのがきっかけで、それ以降2人は「友達」として付き合っていくことになる。

このアイアン実は侵略兵器であり、その堅牢な鋼鉄のボディと多彩な新兵器を併せ持つ上に空まで飛んでしまうというトンでもない強さを誇る。しかし大気圏突入の際頭部を破損(劇中では「コブ」と呼んでいた)し、自分が何者かをすっかり忘れてしまっているのだ。そこへホーガース少年やスクラップ屋兼「自称」芸術家のディーン等と触れ合うことにより、「トモダチ」や「ジュウハコロス」という人間的な感情を覚えていくのである。しかしアイアンを危険と判断する政府のエージェント「ケビン」は執拗にホーガース少年とアイアンについて調査し、次第に追い詰めていく…。

これ以降のストーリー展開は是非自分で見て確かめて欲しい。とにかくこの作品、ホーガース少年とアイアンのふれあい、心の描写が丁寧に丁寧に描かれており、特にアイアンの感情表現はついつい感情移入してしまう。クライマックスで軍に攻撃を受ける中、必死に自己防衛機能を抑え続けるアイアンの「ボク…ジュウ、チガウ」という台詞や、原子爆弾を止めようとするアイアンがホーガース少年に「ボク、イク。オマエ、ココ」と2人が出会ったばかりの時のホーガース少年の台詞を言うシーンは思わずこみ上げてくるものを感じる筈だ!!

このように、この「アイアン・ジャイアント」は世のお父さんお母さん方に、是非お子さんと一緒に見て欲しいと思える素晴らしい作品なのである。今現在、日本のアニメーションは海外で高い評価を受けて、「ジャパニメーション」等と呼ばれ世界中で親しまれている。しかし、海外制作のアニメにだって「宮崎駿監督作品」のように視聴者を深く感動させてくれる作品があることを忘れてはいけない。カワイイ女の子を沢山出して「狭いターゲット」ばかり相手にしていたら、いつか「ジャパニメーション」も本作「アイアン・ジャイアント」のような海外の良作に取って代わられてしまうかもしれない。


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