途中打切りの仇討ち

超獣機神ダンクーガOVA

超獣機神ダンクーガ 失われた者たちへの鎮魂歌

1986年 葦プロ
声の出演:矢尾一樹、山本百合子、中原茂、塩沢兼人、石丸博也、他

簡単解説
TVシリーズに直結する物語。ガンドール砲にてムゲの宇宙に突入した獣戦機隊と、TVシリーズ本編で左遷された敵将「デスガイヤー将軍」との決戦と「ムゲ・ゾルバデス」との最終決戦をTVシリーズのダイジェストを交えて描く。


この「超獣機神ダンクーガ」のTVシリーズ本編は視聴率不振により途中打切りになった為、「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!……長い間ご愛読ありがとうございました」というような「週間少年ジャンプ」の長期連載漫画的結末になってしまった。そんな完全に消化することの出来なかったムゲ帝国との決着を描いたのがこの「失われた者たちへの鎮魂歌」である。その為、TVシリーズを見たのであれば、最低限本作だけは見ておくべきだと言えよう。
また「ローラとの出会い」「イゴール長官との死別」「黒騎士の戦死」といったTVシリーズの名場面を獣戦機隊の面々が回想していくという形で見せてくれる。

しかし特筆すべきはやはり「断空剣」の登場であろう。デスガイヤーとの決戦で「実は出撃前に葉月博士から説明を受けていた」という少々強引な設定で突如その存在が明らかになったのだが、そのおかげで「スーパーロボット大戦」でも活躍が可能になったとも言える。

ちなみに本作はギルドローム将軍を破り、前線基地から脱出したルーナを倒す場面(つまりTVシリーズ最終話の続き)からスタートするのであるがこのルーナというキャラクター、「私にとって男は、私にすべてを与える存在でなくてはならない」と作中豪語しているのであるが、奇しくもこの「ダンクーガ」終了後の90年代初頭に世間で「ジュリアナ東京」を代表する「お立ち台」が流行し、ボディコンワンレンのお姉さん方が「アッシー君」「ミツグ君」等と弱い男を手玉に取っていた。それを踏まえると「ルーナ」は時代を正確に先読みしたキャラクターだと思うのだが、コレは私の考えすぎか?(笑)

余談であるが、本編でムゲが爆発するシーンに1コマだけ文章が描かれている。要チェックだ!!



超獣機神ダンクーガ ゴッドブレス・ダンクーガ

1987年 葦プロ
声の出演:矢尾一樹、山本百合子、中原茂、塩沢兼人、石丸博也、他

簡単解説
ムゲ宇宙での最終決戦から1年、獣戦機隊のメンバーは戦争で犠牲になっていたそれぞれの青春を謳歌していた。しかしそれも束の間、謎の怪物「グザード」の出現により、彼等は復興した地球の中枢である中央管理センターの陰謀に巻き込まれていく。


ムゲとの最終決戦から1年後を舞台とする本作は元々「劇場公開作品」として制作されていた。もっとも公開日程などのスケジュール的問題から実現には至らなかったのだが、忍達のライブシーン(矢尾一樹、山本百合子、中原茂の3人が「獣戦機隊」の名で実際にライブを行っており、そのファン人気を踏まえての演出である)、黒騎士アランの恋人率いる「バンディッツ」、雅人と父親(武器商人)の確執と死別、ブースターを内蔵式に変更し、「断空砲フォーメーション」を追加した「改良型ダンクーガ」の登場、ラストに描かれる亮と「ダニエラ」の結婚などサービス精神旺盛なダンクーガファンの為の一大エンターティメント作品となっている。

そしてTVシリーズでも高い評価を得ていた作画にも更に気合が入っており、壮絶なまでの大迫力映像を見せてくれる。ストーリー展開も「ムゲの怨念に乗っ取られた中央管理センターの暴走」というメインストーリーの根底で描かれるのは「進展しない忍と沙羅のラブストーリー」であり、本編の設定を大きく逸脱せず、うまくファンの期待に答えている。

また本編で「断空光牙剣」が使用されるのだが、この「断空光牙剣」はガンドール砲のエネルギーを断空剣で受けて放つという荒業であり「敵」「ダンクーガ」「ガンドール」が一直線(ポイントD3と呼称していた)になった時のみ使用可能な大技である。

余談であるが、ゲームソフト「リアルロボットレジメント」や「スーパーロボット大戦」のダンクーガ設定の多くは武装を見る限りはこの作品を元にしていると思われる。



超獣機神ダンクーガ 白熱の終章

1989年 全4話 葦プロ
声の出演:矢尾一樹、山本百合子、中原茂、塩沢兼人、石丸博也、他

簡単解説
訪れた平和で新たな人生を歩み始めた獣戦機隊の面々。しかし謎の惑星「ディラド」とその女王ディオレの出現により再び彼等は軍に徴集される。その闘いの最中、沙羅は死んだ筈の「シャピロ・キーツ」を目撃する。


本作はTVシリーズの数年後という設定を用いているものの、メインで描かれるのはやはり「獣戦機隊の面々の青春群像劇」である。特に本編における戦士としてのアイデンティティを失い、命懸けの賭けレースにその捌け口を求めているという藤原忍の設定は、沙羅に「君の王子様より」なんて手紙を添えて花束を贈る「ゴッドブレス・ダンクーガ」の設定よりも一層彼らしいものとなっている。また本編での「イゴール長官」的位置付けであるドイルの活躍やローラに代わる新ヒロイン「マルテ」と共に冷凍処理されてしまう雅人など、見所満載である。

しかし本作で一番の見所は何と言っても「シャピロ・キーツ」である。TV本編でルーナに裏切られ、その野心と共に沙羅に討たれた彼は「女王ディオレ」に拾われサイボーグとなって復活を遂げる。しかし「レイズナー」の「ゴステロ様」のように獣戦機隊に復讐を誓う訳でもなく、ディラドにおいてもひたすら斜に構えた嫌味な態度を貫くのだ。そしてやはり本作でも最後はディオレに裏切られその女運の悪さ(?)を見せてくれるのだ。しかしこの男それで終わらない。何と雅人に代わり「ダンクーガ」のコックピットに座ることになるのだ!!神に成り代わろうとした野望の男らしい、破天荒で波乱万丈な生涯であると言えよう。


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