ロボット水戸黄門

最強ロボ ダイオージャ

1981年 全50話 サンライズ 名古屋テレビ系放送
声の出演:古川登志夫、石丸博也、西村知道、高木早苗、永井一郎、他

簡単解説
遥か宇宙、イプロン星系に存在する「エドン国」は周囲の51の星を平定していた。エドン国の王位継承者「エドワード・ミト王子」はしきたりに従い、身分を隠してお忍びで領土の諸惑星を視察する旅に出る。一見平和に見えたイプロン星系の諸国だが、裏では為政者による悪事が横行していた。ミト王子は合体ロボ「ダイオージャ」を駆り、領民を苦しめる悪人どもを成敗していく。


この「最強ロボ ダイオージャ」は「無敵ロボ トライダーG7」に続いて放送された作品で、国民的お約束時代劇「水戸黄門」をモチーフとしたユニークな作品である。制作スタッフも前作「トライダーG7」から続投であり、本家「黄門様」を思わせる人情味たっぷりのハートフルな好編を多数輩出している。ちなみに、この「ダイオージャ」の音楽はヒーロー物の作品で知られる「渡辺宙明」氏が担当しており、実はサンライズ作品で唯一の参加作品となっている。

さて、この「ダイオージャ」であるが、モチーフとなった「水戸黄門」の設定を非常に面白い形でロボットアニメの枠に取り込んでいる。例えば黄門様が旅先で決して正体を明かさず、「越後のちりめん問屋の隠居」を名乗るのに対し、この作品の主人公「ミト王子」は「大金持ちのお坊ちゃんの社会見学」を装って旅を続けるのだ。

そして旅の道連れとなるのは本作での「スケさん」「カクさん」に当る王子の教育係「デューク・スケード」と王子に武芸を教えている「バロン・カークス」の2人であり、劇中で2人は本家に習って「スケさん」「カクさん」と呼ばれる。そして本家「水戸黄門」では由美かおるが演じるお色気担当のくの一「陽炎お銀」に対し、ミト王子の身辺警護を務める武術とメカのエキスパート「フローラ・シノブ」が登場しており、ミト王子に好意を寄せているという子供向けらしい設定となり活躍している。

「うっかり八兵衛」「風車の弥七」「飛猿」「鬼若」的キャラクターこそ登場しないが、中盤からミト王子のお目付け役「バルジャン」が王子を追って旅をする等やはり時代劇的なサブキャラクターが登場しているのだ。

そして、水戸黄門の必殺技「印籠」に対するのが「エドン」の権威を象徴する合体ロボット「ダイオージャ」である。このダイオージャ、見た目は「ダイターン3」にソックリであるが、ミト王子の乗る剣術が得意な「エースレッダー」、カクさんが駆る機動力に優れた「アオイダー」、スケさんの乗るパワフルな「コバルダー」という3機のロボットが合体することによって完成するロボットである。

この3機はそれぞれのパイロットが持つ短剣によって召還され、それぞれの胸にスペード型のマークが装着されている。このマークが合体時に一つになり、大きな三つ葉葵、すなわち「葵の紋所」となるのだ!!この当りの演出センスは非常にユニークである。しかもこの「紋所」を目にした悪人は思わず「ははぁ〜っ!!」と平伏してしまうのも面白い。正に「ダイオージャ」は「印籠」そのものとなっているのである。

更にこのエドンでは「ロボットを持つもの=サムライ」という設定があり、自らの身分を明かしたくないミト王子はロボットの呼び出しを極力控えていたりするのも印象的である。ちなみに準主役に相当する「エースレッダー」「アオイダー」「コバルダー」の3機はそれぞれ「パワースカイ」「パワーダート」「パワータンク」というサポートメカと合体してパワーアップするが、主役メカの「ダイオージャ」は一切パワーアップされないというのもユニークであると言えよう。

そしてこの作品、従来のロボットアニメと異なり「シリーズを通しての敵」というモノが存在しない。前作「トライダーG7」では「主人公達と敵側の絡みがほとんど無いロボットアニメ」として話題となったが、この「ダイオージャ」では「ザンボット3」での「ガイゾック」、「ダイターン3」での「メガノイド」というシリーズを通して戦い続け、最終回でそのボスと対決する存在がいないのである。ミト王子は侵略者と戦っている訳でも、悪の秘密結社と戦っているのても無くあくまで「世直し旅を続けている」だけなのだ。その為のパターン破りなのか、本作では従来の作品ではヤマ場でしか行われなかった「前、後編」の展開が多いのも特徴の一つだろう。

この作品、基本的には本家「水戸黄門」を彷彿とさせる人情味溢れるハートフルな物語なのだが、最終回では時代劇の根底を成す設定そのものに疑義を示すなど、単なるモチーフにオンブにダッコの作品では終わらい部分を見せている。しかしやはり「お約束」的要素が詰まった人情話というものは、何とも気持ちを安心させてくれるものと言えるだろう。

ちなみに、同時期に作られているサンライズの「ザンボット3」「ダイターン3」「トライダーG7」に比べてどうにもこの「ダイオージャ」はマイナー感が否めない。それはこの作品が上記した中で唯一「スーパーロボット大戦」に参入していない事も理由の一つだろう。しかしこの作品の設定なら、「メインの流れの影で世直し旅をしており、度々共闘し終盤仲間になる」という形で参入させるのは容易い筈である。是非参入させて欲しい作品の一つだ…と、思っていたら、ゲームキューブ用ソフト「スーパーロボット大戦GC」にて念願の初参戦を果たした。何でも新撰組モチーフの「バクシンガー」と面白い形で絡めているらしく、この辺は全く違う作品同士を遊び心で融合させるスパロボならではといったところか。ただ、興味はあるがゲームキューブ用なので手は出せないなぁ。本体もろとも買うことになるし…。


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