「コンボイ」を「オプティマム・プライム」と呼ぶ人はマニアだ(笑)

戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー

1985年 東映動画 全64話 日本テレビ系放送
声の出演:玄田哲章、加藤精三、喜多川拓郎、鈴置洋孝、難波圭一、塩谷翼、他

簡単解説
ロボット生命体が支配する「セイバートロン星」でのトランスフォーマー同士の長きに渡る戦いにてエネルギーが尽きかけたサイバトロン戦士は宇宙へと旅立ったが、悪のデストロン軍団はこれを追撃。相打ちとなったサイバトロンとデストロンは400万年前の地球へ落下した。現代、火山活動にて動き出した生命再生機によってトランスフォーマーが地球のメカと合体し、復活を遂げる。ここに再び宇宙を又にかける「どつきあい」が始まった。


今回は私と同年代の人にはとても懐かしく、現代を生きる少年には「ビーストウォーズ」や「カーロボット」の名前で知られる「トランスフォーマー」について語る。この「トランスフォーマー」という作品は、タカラのオリジナル玩具「ダイアクロン」シリーズをハスブロ社が提携して発売するに当たって制作されたアニメであり、ある意味でプロモーション的なものであった。そしてアメリカでのヒットを受けて日本でも放映が開始された「逆輸入アニメ」なのである。ちなみにこの「トランスフォーマー」が日本で流行していた頃、時を同じくして流行していたオリジナル玩具がトミーの「ゾイド」であった。このオリジナル玩具から発生したアニメは相次いで最近復活を遂げ、当時を知る者としてはなんとなく感慨深いものがある。

さてこの「トランスフォーマー」、玩具先行型の作品であるため非常に納得の行く変形システムを持っており、「車や飛行機が変形してロボットになる」というコンセプトをかなり明確に打ち出している。トレーラーやパトカー、ジェット戦闘機なんてものはもちろん、ラジカセ、顕微鏡(!!)、拳銃…いろんな物がロボットに変形してしまうのである。しかし驚く無かれ、この作品はそんな連中が大勢登場するのである。トランスフォーマー達は自律型ロボットである為、「ロボット」であると同時に「キャラクター」でもあると言える。だからこそモノ凄い数の種類が登場し、更に「戦力アップ」と称して次々と新ロボット、いや新キャラクターが登場するのだ。

そんな集団劇の様相を呈しては、誰が善玉で誰が悪玉か収集がつかなくなるのもまた事実である。しかしこの「トランスフォーマー」はそんな混乱が全く起きない。それどころか理解に苦しむような劇中用語や無駄に裏設定が多い昨今のアニメより、遥かに分かり易いのである。

何せ登場するトランスフォーマー達は必ず自分の所属する陣営のマークを胸に着けており、サイバトロンからデストロン、デストロンからサイバトロンと描写される陣営が替わる度にそれぞれのマークが♪チャラララーという音楽と共に画面に現われて知らせてくれるのだ。これなら誰が良い奴か悪い奴かすぐに理解出来てしまう!!流石はアメリカ製だと思わずにはいられない。(決してバカにしている訳ではない。むしろ私は「トランスフォーマー」を毎週欠かさず見ていたクチである。)さらにナレーションまでもが「さあ!!戦いだ!!」等と状況を陽気に説明してくれるのである。これほど分かり易い作品が他にあっただろうか?

「30分おもちゃCM」等と社会からは散々な評価を受けていたロボットアニメ…しかしそういった中傷が「ロボットアニメ」だってここまで魅せられるんだ!!」という反骨精神を生み、「超電磁マシーン・ボルテスV」に代表される故・長浜忠夫氏の作品や「機動戦士ガンダム」のような素晴らしい作品を世に送り出した。それは紛れも無い事実である。

しかしそんな傑作の登場がアニメーション本来の楽しみ方、すなわち純粋なエンターティメントとしての面白さを打ち消してしまったのである。そんな中登場したこの「トランスフォーマー」はロボットアニメの初心への経ち帰りであったのかも知れない。それを裏付けるように玩具もヒットを飛ばし、子供達もお父さんに買ってもらったトランスフォーマーを劇中の仲間達の活躍に重ねて、「ボクのトランスフォーマーならここでこう戦うんだ!!」等と狂喜乱舞出来たのである。

「銃を持っているのに戦闘は殴り合い。」「銃に当たっても痺れたり転んだりするだけ…使う意味ないじゃん。」「…ワンパターンなんだよな。」等という意見も確かに存在する。しかし、それを踏まえてもこの「トランスフォーマー」は意味のある作品と言えるのではないだろうか?

ちなみに「機動戦士Zガンダム」に可変MSが多数登場したのもこの「トランスフォーマー」のヒットに原因があるらしい。

当時、「トランスフォーマー」はシリーズ化されていたので、下に紹介しておこう。

戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー(劇場版)
「トランスフォーマー」と「トランスフォーマー2010」を繋ぐ劇場用新作アニメであり、日本では何故か公開が遅かった。作画スタッフが異口同音に「すごく大変だった」と語るだけあり凄まじい高レベルの作画であり、TVでは分かり難かったトランスフォーマー達の変形プロセスがきっちり確認出きる。ちなみに劇場版に登場する「ユニクロン」の声は「故オーソン・ウエルズ氏」が当てており、実は遺作だったりする!!

戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー2010
1986年 全30話
2005年のユニクロン戦争(上記の劇場版)後の戦いを描いた通称「セカンドシリーズ」ロディマス・コンボイ率いる「サイバトロン」、ガルバトロン率いる「デストロン」、そしてクインテッサ星人との三つ巴の戦いが展開される。

トランスフォーマー ザ・ヘッドマスターズ
1987年 全35話
日本オリジナル展開のトランスフォーマーの最初の作品で、1話完結形式から連続ドラマ式になった。新合金を巡る戦いで故郷セイバートロン星を失ったロディマス達サイバトロンは、フォートレス・マキシス率いる「ヘッドマスターズ」に戦いを託して旅立つ。「ヘッドマスターズ」は「鋼鉄ジーク」的変形合体システムを持っていた。実はこの作品、マニアの間では駄作と呼ばれる事が多い様なのだが、私は未見なので何とも言えない。

トランスフォーマー 超神マスターフォース
1988年 全43話
ヘッドマスター帰還後の「デストロンプリテンダー」と「サイバトロンプリテンダー&ヘッドマスターJrの少年少女」の戦いを描く。人間がトランスフォームする新機軸を導入した作品であり、そういう意味では既存ロボットアニメ…言わば王道への回帰と言えるのかもしれない。但し、この人間がトランスフォームする、という点がロボット生命体というトランスフォーマーの特徴をスポイルしてしまっている部分が無きにしもあらずで、その為本作に否定的なトランスフォーマーマニアもいるようだ。

戦え!超ロボット生命体トランスフォーマーV
1989年 全44話
スターセイバー率いる「サイバトロン」とデスザラス率いる「デストロン」の戦い。ヘッドマスターに替わり「ブレインマスター」が登場。日本版トランスフォーマーの中では名作との呼び声が高く、以降のタカラのロボット玩具主力商品となる「勇者シリーズ」のフォーマットはこの作品で確立したと思われる。
本作でTVシリーズはひとまず終了する。
タイアップ的に「テレビマガジン」で連載されたまがみばん氏のマンガは、テレビ版を踏まえつつも独自の結末を与えており、コチラも非常に高く評価されている。

戦え!超ロボット生命体トランスフォーマーZ
1990年 OVA
TVシリーズ終了後「テレビマガジン」に連載されていたものをベースにしたOVA作品。地球に眠る超エネルギー・ゾディアックを巡る、デストロン九大将軍と星戦士ダイアトラスの戦いを描く。テレビスペシャルの放映も企画されていたらしいが現実には至っていない。

ビーストウォーズ 〜超生命体トランスフォーマー〜
1997年 全26話
ゴールデンディスクに導かれ、未知の惑星に不時着したサイバトロンとデストロンの戦いを描く。
メカニックへ変形する今までののトランスフォーマーとは一線を画し、動物形態への「変身」をするビースト戦士達の戦いを描くシリーズ第1弾。初の全編CGによる作品で、日本では第1シーズンの26話までを放送し、以降は「ビーストウォーズメタルス」として放映される。「ビーストウォーズ」シリーズは声優のアドリブでも有名。

ビーストウォーズU 〜超生命体トランスフォーマー〜
1998年 全43話
惑星ガイアに眠るアンゴルモアエネルギーを巡って、動物をスキャンしたサイバトロンと兵器の能力を得たデストロンの戦い。昆虫軍団インセクトロン、宇宙海賊シーコンズ等も登場。本作はCGではなくセル画によるシリーズで、和製ビーストウォーズ。この作品ではタカラの意向からなのかコンボイがゴリラではなくライオンに設定され、制作は何の因果か「トランスフォーマー」往年のライバル・「マシンロボ」シリーズを手掛けた葦プロ。「ビーストウォーズ」のコンボイとの競演を描いた劇場版も制作されている。

ビーストウォーズネオ 〜超生命体トランスフォーマー〜
1999年 全35話
「ビーストウォーズU」のラストで宇宙に散らばったアンゴルモアカプセル回収の使命を受けたサイバトロンの新兵と、その教官として選ばれた孤高のワンマンズアーミー・ビッグコンボイ達の物語。前作「ビーストウォーズU」の続編で、制作も引き続き葦プロ。
終盤で久々に星間帝王ユニクロンが登場し、オールドファンの話題となった。玩具でも目覚し時計機能付きという変な一品がリリースされたのだが、何とこの玩具、目覚し時計を止めるには、目覚まし時計モードからロボットモードに変形させないとダメというトンデモないクセモノ。(笑)

ビーストウォーズメタルス 〜超生命体トランスフォーマー〜
1999年 全26話
クォンタムサージによってトランスメタルスに進化したビースト戦士達の戦いを描くCG版「ビーストウォーズ」の続編。不時着した惑星が太古の地球だと知ったメガトロンの歴史改変の野望と、それを阻止しようとするサイバトロン戦士という構図が軸となる。第1作の「トランスフォーマー」の設定を巧みに取り込んで、オールドファンの話題をさらった。

トランスフォーマーカーロボット
2000年 全39話
新世紀の地球に突如現われたデストロンガーと、ファイアーコンボイ率いるサイバトロン次元パトロール隊の戦い。「トランスフォーマー15周年」を飾る作品で、これまでのシリーズとの直接的な関連が無い物語となっている…が、どうもマニアのウケは悪かった様だ。「ROBOT IN DISGUISE」の名でアメリカにも輸出され、玩具の完成度から高い人気を得た。

超ロボット生命体トランスフォーマー マイクロン伝説
2003年 全52話
「トランスフォーマー」プレ20周年を控えた2002年に、シリーズで初めて企画段階から日米共同で制作された記念碑的作品。合体(エヴォリューション)によってトランスフォーマーの能力を飛躍的に高める小型トランスフォーマー「マイクロン」を巡るサイバトロンとデストロンの争奪戦を描く。
放映は日本に先駆けてアメリカで「アルマダ」の名で開始されている。ホットロッドのポジションやユニクロンの登場等、キャラクター配置に何処と無く「初代」から「ザ・ムービー」辺りを彷彿とさせるモノがある。最終回でのコンボイとメガトロンの決闘は必見!!

超ロボット生命体トランスフォーマー スーパーリンク
現在(2004/4)放映中。


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