長浜大河ロボットロマンのアンソロジー

スーパーロボットコミック
「超電磁ロボコン・バトラーV」「超電磁マシーンボルテスX」
「闘将ダイモス」編


アンソロジー漫画 双葉社(今回は各エピソードの紹介のみ記す。)



「帝国の興亡」 富士原昌幸 作

「ダイモス」をメインに据え「コン・バトラー」と「ボルテス」の設定を折り込んだ後日談。バーム戦争終了後、「ボアサン貴族フッケーン」「元キャンベル将軍タマギーン」「バームの武器商人ベトール」が結託。「銀河正統帝国」を名乗り平和の象徴とされるエリカを誘拐し宇宙支配を目論む。
戦いの後に得られた平和の影で「貴族としての権力」「武人としての誇り」を奪われた者の生き場の無い怒りを描いており、なんとなく「新機動戦記ガンダムW〜エンドレスワルツ〜」の五飛を思わせる。最後のエリカの「アナタ達、今すぐ処刑されたいの?」という台詞はこの作品で使用される3機の連携技「究極超電磁スピン」より強烈である。



「第41話 逆襲する貴族」 長谷川裕一 作

「ボルテスX」の続編、その第1話として作られた作品。本星と皇帝を失ったボアサン貴族がボアサン星奪還作戦を計画し、その最大の障害である「ボルテスX」を打ち破ろうと地球に尖兵を送る。その尖兵である新型獣士を操るのはプリンス・ハイネルの妹「マリーネ」であった。新型獣士の圧倒的な力に敗北を喫するボルテスチーム…そこへ剛兄弟の父であり、ボアサン星再興に務めているラ・ゴールの使者「モノホーン」がボルトマシン6号、7号と共に現われる。「市民と貴族の掛け橋にならんが為」と語るモノホーンを信用したボルテスチームは新合体「ボルテスZ」で新型獣士に再戦を挑む。
TVシリーズの続編として作られたというだけあり、たった1話ながらこの作品のドラマ性は強烈である。説明を見れば判ってしまうと思うが、「モノホーン」はTVシリーズで炎の中に身を投じた「あの人」である。



「コピィ・セカンド」 坂井孝行 作

「コン・バトラーV」のTVシリーズ本編の外伝であり、TV本編で登場したヒロイン「南原ちずる」のコピー人間の「二人目」のエピソードを描く。本作のコピー2号はコピー1号のバックアップとして作られ、作戦失敗後は捨てられ、戸籍も、保証人も、帰る家もないままたった1人で生きていたという設定がなされており、彼女が本物のちずるに宛てた手紙から物語は始まる。
その生立ちを不憫に思ったちずると1日入れ替わったコピー2号はそのままコン・バトラーに乗り込むことになる。この作品はこの「スーパーロボットコミック」の中でも特に悲しいエピソードである。コピー人間の寿命はたった十数時間であり、コピーが寝ている間に何度もコピーし直されていた。更にコピー人間の豹馬への思いもプログラムされたものであったのだ。しかし彼女は死を覚悟で豹馬と戦う道を選ぶ。
そんな悲劇を目の当たりにした豹馬の「俺は戦うぜコピィ、お前の為に…。ちずるのニセモノじゃなく、今日1日デートしてくれた寂しい目をした女の子の為に!!」という台詞はあまりにもクサイが、やっぱり目頭が熱くなる。



「宿命の日」 山下博行 作

「ボルテスX」の外伝的物語。ふとしたきっかけで健一が知り合った少女「ルミ」は、実は皇帝に背き角を奪われたボアサン貴族であり、ボルテスを爆破しようとする。彼女はボルテスを破壊すれば貴族に戻ることが出来るという約束にすがって生きており、体内には期限内に作戦を実行しないと命を奪われてしまうウイルスを注入されている。
彼女とボアサン星人と地球人のハーフである健一の「間で生きる者」の悲しみが切々と描かれている。そんな「心のキズ」を語り合うシーンを受けてのラストシーン、ルミと健一が助けた小鳥が大空を飛ぶシーンは複雑な余韻を残してくれる。



「新たなる敵…それは!!」 佐原一光 作

「コン・バトラーV」のTV本編の数年後、言わば続編的な物語設定を持つ本作は、キャンベル星から「オレアナタイプの侵略要塞」が太陽系に逃亡してきたことから始まる。一方火星へのテラフォーミング計画への協力として派遣されていたこずえと大作は謎のロボット軍団に攻撃を受ける。そこへ現われた「オレアナ要塞」を一撃で沈めてしまう謎のロボット…それは地球各国が開発した「戦闘用ロボット」であり、キャンベル星の軍事技術を得る為に地球のロボット同士が戦っていたのだ。
ラストではコン・バトラーを知り尽くしている日本製戦闘ロボットとコン・バトラーの壮絶な戦いが描かれる。TV本編での勧善懲悪を敢えて逆転させた挑戦的な設定を持つ本作は「地球側が侵略者になる可能性」というものを示唆し、国々(本作では星々)の持つ利害や野心の危険性を訴えていると言えよう。



「闘将一番星」 藤井昌浩 作

「闘将ダイモス」の外伝的な物語。「ダイモス」が「トランザー」と呼ばれるトレーラー形態に変形する設定を生かし、デコトラ冷凍車に偽装した「国防軍製先行試作型ダイモス」とそれを運搬する運ちゃんに変装(?)した2人の軍人の活躍を描く。
バーム星人に連れ戻されそうになっているエリカを助ける為に「国防軍製ダイモス」は戦うのだが、そのカッコ悪さは凄まじい。「国防軍製ダイモス」は胴長短足でコックピットも微妙にでかい為、肩車して操縦する特異なロボットであり、日本近海産の本マグロを投げつける「まぐろシューター」や「電柱代用三節棍」等バラエティ豊かな技を披露してくれる。そんな「国防軍製ダイモス」を見てのエリカの台詞「こんなのダイモスじゃなぁぁぁぁぁい!!」は読者の心を見事代弁している。
また運ちゃんに扮した軍人「アニキ」と「城南」は往年の名画「トラック野郎シリーズ」の「一番星桃次郎」と「ヤモメのジョナサン」を思わせる名コンビぶりを見せてくれる。個人的にはこの「スーパーロボットコミック」で一番好きなエピソードである。


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