完全なる合体ロボ

超電磁ロボ コン・バトラーV

1976年 東映動画 全54話 
NET系(46話まで)テレビ朝日系(54話まで)
声の出演:三ツ矢雄二、上田みゆき、千々松幸子、山田俊司、たてかべ和也、他

簡単解説
地球を植民地惑星化を目論むキャンベル星人に立ち向かうべく、南原博士は5機の戦闘機が合体して完成するスーパーロボット「コン・バトラーV」を開発し、日本各地から集められた「葵豹馬」「浪花十三」「西川大作」「北小介」「南原ちずる」の5人に託す。彼等5人はコン・バトラーVでキャンベル星の指揮官「大将軍ガルーダ」の送り込む奴隷獣と戦う。


この作品「超電磁ロボ コン・バトラーV」は「スーパーロボット大戦」でもお馴染みであり、同作品でも「マジンガーZ」「ゲッターロボ」「ガンダム」に次ぐ古株といっても良いだろう。

また本作の主役メカ「コン・バトラーV」は初めて視聴者に納得できる合体を見せてくれたある意味でエポック的な作品でもある。最初から「漫画なんだから」という感覚でデザインされた合体ロボットの元祖「ゲッターロボ」に対し、この「コン・バトラーV」はゲッターロボより2機多い5機のメカの合体でありながら玩具でも再現可能なほど緻密に計算された合体プロセスを持っているのである。と、いうよりも最初の企画段階で「合体可能な超合金玩具を作る」というコンセプトが先行しており、デザインもバンダイの村上克司氏のものをベースにしているのだから当然といえば当然とも言える。

ともあれ、アニメの合体を完全に再現した「コン・バトラーV」の超合金は当時の少年達の夢を具現化したものと言えよう。ちなみにこの超合金、バトルマシン1機が「マジンガーZ」の超合金よりも大きく、合体させると30〜40センチ程度の大きさになる。それ故当時としてはかなり高価な玩具であり「コン・バトラーV」の超合金を持っている子供はそれだけで一躍人気者になったという。発売したての「ファミリーコンピューター」と同じく、言わば子供の切り札だったのだ。しかし、超合金玩具を売る為の「30分オモチャCM」的要素の強いこの「コン・バトラーV」ではあるが、だからといって内容も勧善懲悪の「ロボットプロレス」であった訳ではない。逆に大人でも夢中になれる要素も盛り込まれた傑作なのだ。

まず第1話の主人公5人が全国から集められる過程が面白い。この主人公達が「南原コネクション」に向かうという演出だけで主人公5人の性格設定や個性を巧みに紹介しているのだ。この全国各地から徐々にメンバーが集まっていくシチュエーションは以降もさまざまに形を変えて生き残っていく演出である。そして「ゲッターロボ」から徐々に主人公達の内面、精神的部分を描く演出が生まれたが、本作ではそれを「葵豹馬」と「大将軍ガルーダ」のライバル関係という形で活かしており、物語に深みを与えているのだ。

その設定が見事花開いたのは第25話「大将軍ガルーダの悲劇」であろう。ガルーダの侍女で、彼に密かに思いを寄せるアンドロイド「ミーア」がガルーダの為に奴隷獣で無断出撃し、コン・バトラーに特攻を仕掛けるのだ。ミーアはコン・バトラーを後もう一歩まで追い詰めるも返り討ちに遭い破壊されてしまう。ミーアはガルーダの手で修理工場に運ばれるのだが、彼はそこで衝撃の事実を目の当たりにしてしまう…そう、自分と同じ姿の試作ロボットを発見してしまうのだ!!

自分は誇り高いキャンベル星人だと信じていたガルーダは実はオレアナに作られたロボットだったのだ。それを知ってしまった彼は全てを失ったように愕然とする。「イチゴウキ、シッパイ…」とバックで流れるコンピューター音声がまた彼の悲しさを強調する…。人ならざる者の悲しみ…「仮面ライダー」の「改造人間の苦悩」にも似た凄まじいまでのドラマ的演出と言えよう。こういった凄まじいまでのドラマ的演出は続く長浜忠夫監督作品「超電磁マシーン ボルテスX」「闘将ダイモス」に受け継がれていく。

「ダイモス」でも記したのだが、こういった「スーパーロボットアニメ」のプロセスを踏んでいる作品は富野由悠季氏の「機動戦士ガンダム」の登場と以降の「リアルロボットブーム」に淘汰されていってしまい、「古い」「臭い」「暑苦しい」と散々な評価を受けてしまっている。しかしそんなつまらない評価を一変するだけの力を、この「コン・バトラーV」は持っているのだ。

ちなみに本作のヒロインでバトルマリンのパイロット「南原ちずる」は安彦良和氏入魂のキャラクターであり、お嬢様的な部分とオテンバさを持ち合わせた性格設定と主人公豹馬とのくっつきそうでくっつかない関係、そしてなにより「安彦ライン」バリバリの脚線美で当時のアニメファンのアイドル的存在であったという。


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