100選クローズアップ編 その9


2014/05/16 「ブレイクブレイド」(289) 13巻

さて、劇場版アニメを再構成したテレビシリーズもそこそこ高評価な「ブレイクブレイド」の、ようやく待ちに待たされた最新刊です。テレビアニメ化の影響か、この13巻発売した段階でトータル300万部突破したんだとか。

しかし…休載明けの「アイリスゼロ」といい、これまた待ちに待った「レッツラグーン」といい、個人的に楽しみに待っているものの刊行ペースが著しく遅い作品の最新刊が最近多く発売され、うれしい悲鳴を上げております。(笑)
刊行ペースの遅い作品の場合、新刊が発売される頃には大抵前回までの内容の記憶にモヤがかかってしまって、前の巻を読み直し、引きが上手い作品ですとコレが必殺の"遡り読み"が発生してしまうんですわ、ええ。(苦笑)

今回は、ライガットにとってはかけがえのない思い出の地・アッサムの国立士官学校でのゼスとの対峙と一騎打ちがメインですね。私はアニメのコミカライズとかに限らず、ロボット漫画が結構好きなのですが、よく

「ロボットモノは漫画で読んだって絵が動いてくれる訳じゃないし、肝心要のアクションシーンとが読んでいても面白くないものが多い。ロボットモノはやっぱりアニメで見るべきだよな。」

なんて意見を言う人がおる訳ですが…この巻のライガットとゼスの一騎打ちを見てから言いやがれ!!というレベルの躍動感なのですよ。

もともと、「ブレイクブレイド」の主力メカ・ゴゥレムはガンダムだのの様にスラスター吹かして宙を華麗に舞う訳でも、ATの様にくるくるとローラーダッシュで軽快に地上を滑る訳でもありません。基本性能も数多のロボット作品の中でも下位ランカーで、もっさりとした動きが似合うメカニック…下手すりゃATにも負けます。

化石燃料が取れず、代わりに石英を魔力で動かすという世界観の為、派手なエフェクトとかは皆無…やられても爆発したりしませんし、プレスガンと呼ばれる銃はありますが、実在の火器の様に派手な音を立てたりもしません。主人公機であるデルフィングにしたって古代ゴゥレムで魔力に反応しない代わりに凄まじい馬力を持つ…という所謂主人公補正、チートな機体ではあるものの、代わりに一般ゴゥレムの標準装備であるプレスガンの様な射撃武器が使えないという弱点があったりするのは、例えば「スパロボOG」とかの機体設定を見ていて

「なんか、やたら『世界を滅ぼせるレベルの機体だが真の力を発揮できていない』みたいなの多くねぇか?」

とゲンナリした身としては、生身の人間の戦いをそのままサイズアップした様な戦闘シーンに何と言いますか、郷愁みたいなモノを感じるんですね。ま、地味って言われちゃえばそれまでではありますが。

ただ、今回のロボットアクションシーンは実にカッコ良いのです。今までも、鹵獲したアルテーミスを駆って凄まじい戦いを見せたジルグや、多重装甲モードでのデルフィングでの突撃体当たり戦法など、迫力かつ躍動感ある描写が時折光っていた漫画なんですが、今回のアクションはその上を行ったんじゃないかと。狙ってではなく偶発的なのでしょうが、ゼスに反撃すらさせなかった片手で二刀を操るデルフィングのカッコ良さったらないですよ、ええ。ボルキュスにやられた左手が修復されておらず、海賊船長のカギヅメみたいになってるのもカッコ良いですね、ええ。

元々、物語の方は地味で展開は遅いですがゆっくり、じっくり読ませてくれる作品でしたし、人妻ヒロインのシギュンを始め、クレオ、ナルヴィにプレデリカと魅力的な女性キャラの存在もあった訳です。サービスシーンみたいなのもそこそこある作品ではありますが、どこぞの"連載時に描かれていない乳首をコミックス発売時にいちいち作者が描き足す作品"みたいな下品さは感じない作風というか、画風なんですね。まぁ、件の作品に関しては作者のサービス精神ですから否定する訳じゃないんですが。(笑)

ともあれ、コレに今回のようなアクションが付加されれば…ホントに最早"鬼に金棒"なロボット漫画なんじゃないかと思うのです。連載誌の休刊だのなんだのと色々先行き不安にさせられてしまった作品でありますが、何卒完結させて欲しい作品の筆頭ですね、ええ。人気沸騰!!みたいな形にならず、このままじっくり最後まで読めたら…最高ですよ、ええ。作者さんや編集者には申し訳ないですが、個人的にはむしろあんまり派手に話題になって欲しくない位です。(苦笑)

ともあれ、アテネスに反逆てしシギュンを逃がすクレオ達はどうなるのか、ライガットは間に合うのか…とにかく、待つとしましょうか。

そういえば、アニメ版の主題歌歌ってる人…どっかで見たような名前だと思ったら、「あんこう音頭」歌った人だったのね。(笑)


2014/03/24 「アイリス・ゼロ」(486) 6巻

はい、作画担当の体調不良の為に一年以上の休載を経て遂に発売の最新巻です。コミックスの刊行が2年以上開いてしまった訳ですが、5月にはこれまたコミックスの刊行が遅い「レッツラグーン」も最新巻がリリースされるとの事。ついでに最早今更感すら漂う「ブラックラグーン」の最新巻も近日刊行予定ですね。私は割と…季刊誌連載の漫画とかもフツーにコミックス集められる人なので、まぁ、大して苦になってないんですが、取り敢えずどの作品も未完で放置されるってのだけは勘弁願いたいですよね。

さて、5巻が主要キャラクター6人の補完的な内容でしたが、6巻ではまた大きく物語が動きます。まぁ、透たちと同学年では話はもう続け難いだろうな、と思ってたら今回の軸というか、キーは3年生…透たちの先輩になってます。

んで、今回のキモですが、5巻では顔見せのみだった新キャラクター・星宮玲…彼女の設定が、読者の盲点をついたキャラクターになってるという点かと。私もコレには「成程、そう来ますか」と感心してしまいましたよ、ええ。個人によって見えるモノが千差万別なアイリスという能力に対し、アイリスゼロ…何も見えないが故の異能、というのが本作の主人公・透の個性であり、特徴だった訳です。今回のエピソードはそれを上手く逆手にとったネタだと言えるんじゃないかと。今回はネタバレを一応配慮して書いているので正直もどかしいんですが…いや、上手い持っていき方だなぁ…と。

ともあれ、今回のエピソード、結末は次回に持ち越しになってるんですが、今回の題材に関しては、読んでみて納得の上手い使い方、と言えるんじゃないかと。コミックス追っかけなので、私にとっては随分久々の「アイリス・ゼロ」だったのですが、相変わらずの丁寧さ、上手さが光った面白さで一安心です。作者さんには無理のない程度に頑張って頂きたいな、と陰ながら応援させて頂きますよ、と。

…しっかし、ココ「クローズアップ」で細かく紹介している作品…その中でも本作「アイリス・ゼロ」と「高杉さん家のおべんとう」「銀の匙」とかはかなり書いた回数が多い訳です。まぁ、「銀の匙」とかはアニメや実写映画にもなったビッグタイトルなので置いておくとして、実際にウチの記事…「クローズアップ」なり「100選」なりが読んでみるキッカケになった、って人…居るんですかねぇ。何だか、役に立ってるのかよくワカランのがちょっと寂しい気もしていたり。ま、基本自己満足なんで続けますが。(笑)

最後に、今回の見どころをネタバレが無い方向から挙げておきます。何と言っても今回は小雪が透に対して見せた、腰へのタックルからマウントポジションに移行してのタダっ子パウンドですね。このシーンの小雪の表情が非常に可愛いのですよ。(笑)
ついでにオマケの番外編2の小雪と久我ちゃんも可愛かったです。

そんな訳で、次の巻も期待大!!という事で。


2014/03/23 「モンスターキネマトグラフ」(513)

漫画好きを自称する様な人ならば、人気タイトルという訳ではなく有名な作家が描いている訳でもない、大作という訳ではなくむしろ短期で完結しちゃってる作品…そんな中で、大っぴらに誰かにオススメする気はあんまり無いんだけども、実は個人的には凄くツボで大好きな作品ってあると思うのです。私の場合、この「モンスターキネマトグラフ」がまさしくそういう作品なのです。

この作品、舞台は太平洋戦争末期から戦後の復興期。主人公は興奮すると巨大怪獣に変身してしまう特異体質の女性「マミヤさん」…という、初っ端からB級臭い…もっと言えば出オチの様な設定が特徴。その体質から戦中は兵器として利用され、戦後も厳しい監視の下に生活を余儀なくされていた彼女はひょんな事から怪獣映画の撮影に参加する事に…というのが大雑把な概要。

そんな、開き直らなきゃやってらんないような舞台装置の中で、本作は割と…いや、クソ真面目に物語を展開しているんですね。例えば、戦中のシーン。ここでマミヤさんに想いを寄せる優しい男・ヒラタ君を描く一方で、マミヤさんに対し辛く当たる上官の彼女への嫌悪感が実は恐怖心から来ている…なんてのがキッチリと描かれていたり、最初は嫌な奴な印象剥き出しの本作のヒロイン(男ですが立ち位置的に/笑)のナカジマはんの、徐々にマミヤさんに情が移っていく過程が短い尺ながらちゃんと描かれていたり…そう、非常に丁寧な作品なんです。それこそバカみたいに。

それ即ち自身の提示した世界観に対して真摯である、という事でしょうか。少年誌に散見するパターンですが、自らが作った世界観やルール、価値観を放棄してしまうケースって多々ありますよね。例えば「ブラックエンジェルズ」は大震災以降は完全に別物の様な世界観になってしまいましたし、あの「ドラゴンボール」もマジュニアとの決着前後で明らかに作風が変わってますよね。まぁ、個人的意見はともかく商業的見地とかからすれば、「ドラゴンボール」は成功例と言えなくもないですが、自らの敷いた風呂敷を畳む前に裏返しちゃう作品って、世の中には少なくないのです。

でも、「モンスターキネマトグラフ」は違うんです。自らの世界観に忠実…というか、丁寧なんですよ。アイデア自体は言葉は悪いですがありがち、というか、誰でも思いつきそうなネタな訳ですが、そのありがちなネタに対しての真剣度がやたら高い作品なんですね。尺が短い作品だから作風が変貌する前に終わっただけ、というのは簡単ですが、物語としての完成度を高めているのは間違いなくこの丁寧さだと思うんです。

そして、タイトルにある「キネマトグラフ」という言葉からも分かる通り、ノスタルジックな味わいというのも本作の魅力でしょう。本来体験している筈もない世代すら、疑似的なノスタルジーを味わえるんですね。それでいて、「ALWAYS三丁目の夕日」の様な
押しつけがましい感じは皆無…という、何と言いますか、出来の良い昔の邦画を見終えた時に感じる郷愁の様な味わいがある作品なのです。そう思わせる理由の一つは、主人公のマミヤさんの魅力にあるのかも知れません。年齢不詳…正に”妙齢”と呼ぶに相応しい容姿で、キャピキャピはしていないがケバケバしくもない…実に昭和的なヒロインと言えるんじゃないかと。

そんな彼女がようやく手に入れた幸せ…ラストのマミヤさんの優しい微笑みには…うん、やっぱり惹かれてしまうのですよ、ええ。


2014/03/06 「不器用な匠ちゃん」(913) 4巻

昔は千葉麗子さんとか、典型的な所でしょこたんとか…最近では仕事より趣味の方面で話題に上る事が多い声優の中村桜さんなんかもそうですが、基本女性とは縁遠そうな趣味に理解を示して一緒に楽しんでくれる女性、というのは、オタクな趣味を抱えている男にはある意味理想といえる存在ですよね。今回ご紹介するのはそんな系統の主人公・藍川さんが何とも魅力的な作品「不器用な匠ちゃん」です。

中身はと言いますとこんな感じ。

腕の良い歯科技工士の藍川さんは手先は器用なれど人としてはやや不器用な女性。そんな彼女には「武器フィギュア作り」というあまり人には言いたくない趣味が。そんな彼女がとあるキッカケで知り合ったのは鉄道模型(ジオラマ)作りを趣味の青年・渡井。藍川さんは渡井から彼の友人らとの趣味の集い「アトム会」に誘われるが…

という、社会人青春ラブコメですな。ラブコメと銘打っているだけあって「アトム会」の人間関係は結構ややこしく、登場人物紹介を兼ねて説明すると

藍川さん…武器フィギュア作りが趣味の歯科技工士。渡井に好意を持つが、睦希が彼に好意を持っている事を知って一歩引き気味。長谷プーから好意を持たれている事には気が付いていない。

渡井…鉄道模型が趣味の営業マン。好青年だが趣味に関係する事となると周囲が見えなくなる。睦希に好意を持たれているが気が付いていなかった。藍川さんが気になり始めている。

長谷プー…実家のパン屋に勤める店舗フィギュア&ミニチュアフード作りが趣味の青年で睦希の兄。藍川さんに好意を持っていて積極的にアプローチをする。睦希の渡井への好意には気付いていた。潮見から好意を持たれている。

睦希…デコスイーツ作りが趣味の女子大生。藍川さん入会前から渡井へ片想いしていた模様。藍川さんとは良い友達関係で女子力高めのカワイ子ちゃん。(死語)

潮見…藍川さんの勤める歯科医院の同僚。長谷プー曰く「肉食系」の、やや気が強く強引な今時の女性。アトム会見学での一件から長谷プーに好意を持ち、藍川さんに協力を求めている。アトム会メンバーではないが、会の人間関係を敏感に察した。

とまぁ、こんな感じ。90年代のトレンディードラマの様です。(笑)
で、今回この作品の魅力を語るに当ってですが…藍川さんの魅力で一点突破してしまおうかと思ってます。藍川さんってば、もしかするとここ数年間で最も私が”萌えた”ヒロインかも知れませんよ。(笑)そんな藍川さんの一端を紹介してしまいましょう。

1.表情豊かな点
この作者さんの前作「つるた部長はいつも寝不足」でもそうだったのですが、主人公が割と内向的な性格ながらも表情はコロコロ変わるのが実に魅力的。趣味の武器に関するウンチクを語る際のキラキラした笑顔や、照れた際の表情など、もう絶品なのです。

2.美人過ぎない点
いや、藍川さんは美人さんではあるんですが、モデルみたいな隙の無いイメージともアイドル的な華やかなイメージともかけ離れたタイプです。オシャレとかには割と無頓着っぽいですし、所謂「女子力」は低めな人。だが、そこが堪らないのです。なんて言うんだろ…テレビとかでドレスでバッチリ決めた女優さんとかよりも、例えばスーパーマーケットでエプロン姿の美人が試食コーナーでウインナー渡してる姿に何だか惹かれてしまう…そんなイメージなのですよ。

3.割と隙が多い点
優秀な歯科技工士ではあるものの、私生活では割とドジな面が散見するのがまた良いのです。今回の4巻までで2回程泥酔してるんですが、この時の酔っ払いっぷりなぞもう…可愛過ぎます。(笑)

何と言いますかね、ワタクシ、よくアニメとか漫画のキャラクターに対して「○○は俺の嫁」なんて言っちゃう事に非常に強い抵抗といいますか、イヤーンな印象があったんですが、藍川さん見てるとそういう事言い出してしまう人の気持ちがね、なんとなく分かる気すらしてしまいます。ホント、ツボなのですよ、この人。

そんな藍川さんのまだまだ語り尽くせぬ魅力、もっと知りたい人はココで試し読み出来ます。(要ピクシブのアカウント)

http://comic.pixiv.net/works/287

特に、藍川さんが酔っ払っちゃう9話がオススメだぞ!!(笑)
「不器用な匠ちゃん」が連載されているのはコミックフラッパーという雑誌なんですが、実はウチでプッシュ中の「高杉さん家のお弁当」や、まさかのアニメ化を果たした「となりの関くん」…他にも「カバディ7」「煩悩寺」「トランスルーセント」「70億の針」「夕焼けロケットペンシル」「ダンスインヴァンパイアバンド」「くまみこ」等々…結構個人的打率が高いコミック誌で「100選」続けるのに貢献してくれている漫画誌なんですよ、ええ。派手なヒットの仕方をする作品は少ないんですが、地味ながらも良作、という作品が多い気がしますね。

さてさて、ついでに書いときますが、この作品に対し

「趣味人ならもっと自分一人の没頭できる世界を大切にする。基本コミュニケーションをとるのが苦手そうな主人公が『アトム会』を楽しいと言ってしまっている点に違和感がある」

という意見が結構目につきます。私自身人付き合いが得意とは言えないからむしろ分かるのですが…コレは社交的な側の人間の理屈ではないかと。人付き合いが「嫌い」と「苦手」ってのは雲泥の差。人付き合いが「苦手」でも、人付き合いを「したくない」訳じゃないんだぜ、と。コレは趣味に関して周囲にオープンな生活をしている人にはワカラン感覚かも知れませんが。

藍川さんという人は、自身のマイノリティーを痛感していて、それに対し何とも言いようのない引け目を勝手に自分の中で抱えてしまっている人。故に、表面上の社交性を維持出来てはいるものの、いざとなると他人に対し一歩踏み込む事が出来ない人な訳です。自分の趣味が周囲の人に知られたら村八分になる…位の恐怖心を持っている訳です。その辺の葛藤はそこかしこで描かれてますよ、この作品。

だからこそ、自分の趣味に理解を示してくれる…もっというと、引かないでいてくれる人がいたら、案外コロッといってしまうんじゃないかな、と。勝手に自分の趣味を理由に委縮しちゃって周囲に気を使い過ぎていた人が、そういう気を使わなくても良い場所を得た訳ですから、そこに居心地の良さを感じて大切に思う様になるのは自然な流れだと思いますし、この巻の職場の同僚でアトム会の事も知っている潮見さんへの趣味を告白出来たのも、キッカケは「アトム会」な訳ですからね。

そんな訳で、オススメ作品ですよ。


2014/03/01 「漫画版 自衛隊の"泣ける"話」(1037) の余談

仕事で自衛隊関連の施設にも何度か行った事があるんですが、隊員の人達は皆礼儀正しくてキビキビした気持ちの良い人達だったのを思い出します。

よく自衛隊を違憲だという人がいる訳ですよ。そう主張している女性国会議員とその仲間が設立したNGO団体がソマリア沖でちゃかり自衛隊に護衛を依頼した、なんて恥知らずな話も聞きますね。

まぁ、コレに関しては「自衛隊は国民を守る義務があるから護衛は当然」なんて理屈を言うんでしょう。でも、「国民を守る」というモノには阪神淡路大震災や東日本大震災といった災害だけではないんじゃない?と。軍隊である自衛隊ではなく、災害救助に特化した組織を作れば良いだけ、みたいな暴論を吐く人もたまに見ますが…それだと、他国の侵略や武装テロといったものからは守ってもらえなくなっちゃうぜ、と。ヤクザの押収物でトカレフやらマカロフに混じってサブマシンガンやアサルトライフル…RPGまで出てくる時代なんですぜ、と。

「自衛隊の武装なんて任務から考えれば小銃や装甲車、ヘリで充分。戦車や戦闘機、イージス艦を持っているのは自衛隊は軍隊だ。」

という意見、コレも通用しませんよね。
もし日本に向けて発射されたら大変な死者が出てしまう長距離ミサイルは、海保の船に装備されている機関砲、ましてや小銃じゃ撃ち落とせません。
もし日本を爆撃しようと爆撃機とその護衛機が飛んできても、ヘリじゃどうしようも出来ません。
もし武装組織が東京で蜂起したとしたら、装甲車ではAK(とは限らないけど)ならまだしもRPGだとかなり不安です。

戦車も戦闘機もイージス艦も、国民の生命を守るのに"必要だから"持ってるんですよ、ええ。


2014/01/08 「銀の匙(679)」10巻

前の巻を「クローズアップ」にて取り上げた時にですね、食品科の池田さんを「肉食系」と書いていたのですが、本編に採用されてしまいました。いや、勿論ウチの記事見て描いた訳じゃないのでしょうがろ、何だかちょっと嬉しかったり。(笑)

で、本編ですが、今回はエゾノーの年末年始を描いてまして、八軒が発起人となった豚肉ファンドの結果とか、八軒のロシア人義姉来校、駒場再登場、と見どころの多い展開になってますね。

先ずは八軒のロシア人義姉・アレクサンドラさん。もうちょっと登場は引っ張るかと思ったんですが、割と早々に顔出ししましたね。モデルの様なロシア美人(歳を重ねる毎に崩れていきそうなのが怖い程の)ですが、出てくる言葉の二言目には

「ソ連崩壊時ニ比ベタラナンテコト無イデスヨ」

の台詞。(笑)
本国では相当なご苦労があった様です。
アレクサンドラさんの祖父母辺りの世代なら、ここで出てくるワードは「ソ連崩壊」ではなく「大祖国戦争」とかになるんですかね。

しかしどーもワタクシ、正月休みに読んだ漫画が「ヒート」とか「サンクチュアリ」とか「ストレイン」…「傷追い人」とか「クライングフリーマン」といった劇画ばっかりだったせいで、ロシアというとマフィアとかKGBに直結して連想してしまいます。(苦笑)

後注目なのは駒場の再登場。どうやら農場やその他のバイトで一家を支えている様ですが、八軒に対して妙に意識してしまっている様で。農業高校にとっては異分子である八軒は、なんだかんだと学校全体に影響を与えている訳で、雪まつりでエゾノーの面々が駒場に投げかけた言葉が八軒っぽくなっているのが印象的です。

それに対し、駒場の方はやや意固地になっている印象。学校を離れた際もそうでしたが、エゾノーの面々、特に八軒に対してはワザと強い壁を作っている印象。このアキの受験を中心とした八軒とアキの関係と共に、八軒と駒場の関係も今後の軸になっていくんでしょうな。

で、今回のベストは西川と大川先輩のバトルですな。

小キックハメの後の大技でKO…(笑)

西川…敵に回すとエゾノー生で一番怖い男かも。
しかし安定した面白さです。真面目一辺倒で啓蒙の方向で作っても、ギャグやキャラ売りのみの方向で作ってもこの面白さは出ないでしょうね。作劇とか物語の構成で言えば、まっことバランス感覚に優れた作家さんだと思います。

ある意味「銀の匙」の前身ともいえる荒川先生のエッセイ漫画「百姓貴族」の続きも近々発売との事なので、楽しみに待とうと思います。

あ、チキンが今回


「人を撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴…ですぜ。」

という何処かで聞いた様な台詞を発しましたが、若い子はコレを「ギアス」のパクリとか言っちゃうと、

「アニオタ(漫画オタ)はアニメ(漫画)しか見ないで物を語るから困るね。」

的な嫌味をオッサン世代に言われちゃうから注意した方が良いぞ!!(元ネタ知りたけりゃググれ!/笑)



2014/01/01 今回のネタは時事問題を絡めたモノ

少し前、「黒子のバスケ」の作者に対する連続脅迫犯が逮捕されましたね。この犯人が逮捕された際、

「ごめんなさい、負けました」

なんて言った、と報道されてますが、この犯人、それまでは勝ってるつもりだったんでしょうか?漫画家として成功している作者への妬みが犯行の原動力だったのだから、むしろハナッから負け犬だろ、と。この犯人は夢を実現して成功を収めた者は勿論、夢破れて地道に働いている者、他人に後ろ指差されても尚夢にしがみついている者、夢なぞハナから諦めていた者…全ての者、いや自分自身にも負けてるじゃねぇか、と。

さて、今回は漫画論的なモノをブチ上げてみようかな、と思ってます。

宮崎勤の事件を引き合いに出すまでもなく、オタクを犯罪者予備群と捉えている偏見は根強いですよね。児ポ法絡みの話もそうですが、少し前もAmazonでアメリカ(作中ではぼかしてますが)の海兵隊に日本の女子高生が入隊する、という漫画作品がいきなり販売停止された件で、児ポ法でアニメや漫画を規制する事にご執心な自民党の女性議員が圧力をかけたせいだ…なんて噂が流れたりしました。

一応、購入者からページ折れのクレームがあって在庫を全部調査中だった為に販売が一時止められていた、というのが真相という事になってますが、どうなんでしょうね、実際の所。ちなみにこの本については取り寄せ中でして、中身を確認して「100選」のネタにしようと思っていますのでお楽しみに。

ただ、性描写等に関して過激な描写云々…とか、犯罪に繋がる様な描写、といった規制推進派のナントカの一つ覚えな発言ですが、彼等の言い分としては、オタクという生き物は宮崎勤的な二次元と現実を混同して犯罪に走る可能性のある輩だ、という事な訳ですが、ココで私には疑問が湧くのです。

ホントに二次元と現実を混同してるのってオタクの方なんだろうか

という点。
まぁ、確かにいますよね。「○○タソは俺の嫁」とか言っちゃう人も。でもそういった発言、傍から見てると確かに気持ち悪いですし非オタな人が見たら引くとは思います。でもオタクのコミュニティ内では飽くまでネタの範疇でしょ。逆に、ロボットアニメとかに登場する兵器の描写が間違ってるだの、スポーツ部活モノで今時根性論で非科学的な練習させる学校はないだの…そういう御託を並べる奴とかに関しては、同じオタクの中から

「漫画(アニメ)を漫画(アニメ)として見られない奴ってどうなの?」

と否定的な声が挙がる事も少なくない訳です。架空キャラクターに対しては相手が架空の存在な訳ですから、割と○○タソのおっぱいに顔うずめたい、みたいな欲望に直結した発言がなされますが、それはある意味中高生がヌードグラビア見て「こんなエロい娘とセックスしたい」と思うのと大して変りがないかと。

では一方で規制推進派の方はどうなんでしょ。例えば、ある漫画で主人公がヒロインをレイプするシーンがありました、というのがすぐ”このシーンに感化されて性犯罪に走る者が現れるかもしれないから規制して取り締まらなくては”に直結しちゃう訳です。本来ある筈のワンクッション「漫画(アニメ)は漫画(アニメ)」というものが理論から抜け落ちちゃってるのです。そういう意味で言えば、規制推進派の理屈の方が、二次元と現実を混同して考えちゃってないかい?と。

そもそも考えて欲しいのは、何でそんな過激な描写が漫画やアニメに多いのか?という点です。それは簡単、現実では実現させるのが難しいからでしょ。規制推進派が最も注視しているのは恐らく性描写でしょうが、例えば触手に少女が犯されるシーン。コレ、CG使ったって実写映像にするの難しいってのは想像できますよね?技術的な面が何とかなったとしても、今度は演じてくれる女優さんとかの問題になる訳です。でも、漫画やアニメではそういったものがクリア出来ちゃう…早い話、欲望に直結した描写が出来ちゃう訳ですよ。コレは漫画やアニメ以前、江戸時代の春画とかでも証明されちゃってる訳ですよ。巨大タコにまとわりつかれる海女さんの絵をかの葛飾北斎が描いていたりする訳ですから。

もっとも、規制推進派の人に「漫画(アニメ)を見てからものをいえ」といった所で、もう結論ありきの見方しかしないでしょうから無意味なのでしょう。それ以前に推進する理由に利権が絡んでいるケースもある訳ですし。ただ、漫画やアニメのオタクというのは、むしろ規制推進派の人々より漫画やアニメに対して現実と一線引いていると思うのです。テレビ等での露骨な印象操作に使われる様な所謂キモオタにしても、そのキモオタな発言というのは現実の女の子とうまくコミュニケーションが取れない事への反動とも言える訳です。彼等の発言も、結局の所は「ロボコップ」を上映している映画館から出てくる客の歩き方がロボコップになっちゃってる…という程度のものでしかないのですよ。

ただ、そういったロリ、ペド嗜好の漫画(アニメ)オタクが性犯罪に走らないのか?と聞かれると私には答えようがないのは事実。…ですが、前述した宮崎勤の様なタイプの人間は恐らく漫画やアニメを嗜好していなかったとしても何らかの形で犯罪に走っていたと思います。つまりは、犯罪に走るかどうかは最後は本人の資質…嗜好ではないと思うのです。

そもそも、法での規制は文字通り「臭い物に蓋」するだけ。中身が暗闇に潜って見えにくくなり、より危険な方向に進むとも限らないのでは?とは思うのですよね。


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