100選クローズアップ編 その14


2017/07/08 「ゆらぎ荘の幽奈さん」(1484)の例の問題について

いや〜タイミングがいいのか悪いのか。(苦笑)
こんな話題が。

http://news.livedoor.com/article/detail/13301220/


今の世の中、ネットでは「あなたは18歳未満ですか?」なんて質問に嘘をつくだけで…いやそんな質問すら答えずともモザイク処理されていない過激なエロ動画とかが拝めちゃう時代だというのに、今更何言ってんだこいつ等…というのが正直な感想なんですわ。

この手の論調が攻勢に出るキッカケになったのは、今の若い子は知らないであろう宮崎勤の連続幼女誘拐殺人事件なのでしょうが、その事件の風潮を利用して「漫画は子供に悪影響を与える」なんて社説で言い出したのは"従軍慰安婦に関しての吉田証言虚偽問題"でおなじみの朝日新聞ですからね。

そもそもがさ、今じゃ硬派な格闘漫画や歴史漫画を描いてる人のデビュー作が校長や主人公の悪友達があの手この手でヒロインのおま〇こを見ようとする漫画だったりしますし、かの「ドラゴンボール」だって最初期は"ぱふぱふ"とかやってた訳で、そもそも「努力・友情・勝利」の陰で、「電影少女」とかやってた訳です。もっと言えば「少年ジャンプ」より更に若年層向けの「コロコロ」「ボンボン」にだってそういうチョイエロ漫画はあったんですから、ホント、何を今更…です。

ただまぁ、件の女性弁護士の意見はまだ理解できるんですよ。「親として見せない」という親として子供に対する責務を果たす意思を見せている訳でね。躾とか教育って、結局のところ根っこの所はガッコより家庭ですから。

私もね、ガキの頃、母親の目を盗んで見てました。再放送されていた「まいっちんぐマチ子先生」(笑)

でもジェンダー研究の専門家の大学教授の理屈はいただけない。というか、その主張を信用できない。この手の論調を駆使する人って、大抵まず結論ありきでモノを語るんですわ。だから何言っても話がかみ合わない。多分この人、例えば「水着がはだけて恥じらっている」んじゃなくて、「笑顔で自ら水着を脱いでいる」様な描写だったとしても、別の理屈こねて批判するのではないか…と私には思えてならないのです。

私自身も専門家とかではないのでしょうが、この手の人とメールで数度やり取りしたことがあるんですが…暖簾に腕押し糠に釘…何といいますか、蛇口から出る水をざるですくって風呂桶に溜めようとしているような感じでしたから。(苦笑)

分かりやすい例としてはコレかな?

https://togetter.com/li/1088464

ちょっと逸れますが、「ウルトラセブン」の12話が欠番になった経緯がありますね。あれは、本放送や再放送で何も言われなかったのに、「小学二年生」が本編でそう言及されていないのに勝手に「ひ〇くせい人」などと表記してしまい、それをたまたま見た女子中学生が、たまたまフリージャーナリストで原爆被害者に関わる仕事をしていた父親に相談した事でこの父親が編集部に抗議文を送り付け、それをたまたまかぎつけた朝日新聞(またかよ/苦笑)が円谷プロの回答を待たずに「被爆者を怪獣扱い」などと報道したのがキッカケ。

今回の騒動でもさ、たまたま「問題だと取ることも出来なくはない描写」を見つけた"声のでかい人"が、SNSとかを使って声高らかに批判してそれが大騒動…というのがね、簡単に、「ウルトラセブン」の様な何度も"たまたま"を積み重ねずとも生じてしまう…というのが何とも…魔女狩りの様で恐ろしく感じるんですわ、私には。

ネットの"声のでかい人"というのはめんどくさいんですよ。野上氏風に言うと「自分の正義に酔ってる」ので言葉が通じない。
そんな無駄に声がでかい人の、スジも理屈もロクに通って無い様なエゴイスティックな意見で、好きな作品がつぶされる姿…私は見たくないです。漫画ファンとして、ね。


2017/07/04 「血まみれスケバン・チェーンソー」(527) 完結記念

映画にもなったものの、話題なったんだかならなかったんだかよく分からない状態で完結となった原作漫画。個人的には作者の三家本礼氏の作風はエロ・グロ・バカと三拍子揃っていて嫌いじゃない…というより好きなんですが、本作の終わらせ方は少々頂けない印象。

だって、ギーコ達とネロの戦いにケリがついてないんだもの。

割と強引なやり方でネロを復活させておいて終わらせ方はかなり煮え切らない感じになってしまって、正直なんだかなぁ…と。

まぁね、ギーコを巡るラストの超展開とか鑑みるに、終わらせ方自体はB級ホラー映画なんかにはありがちなスタイルではあるような気がしますが、本作でこの終わらせ方を期待していた人がいたのかは別問題なんじゃないかと。考えようによちゃあ続編を意識しているかの様に見えてしまって、三家本氏らしい清々しいまでの「バカ」の部分が台無し…むしろ小利口というか、欲目に負けたかのような印象すらあります。

ちょっとこれ、ガッカリですよ。「ゾンビ屋れい子」とか「サタニスター」みたいに無茶苦茶だけど面白い…そういう誉め言葉としての「バカ」を期待していたんですがねぇ…うーん…。


2017/07/04 「箱入りドロップス」(1068) 完結記念

個人的に一番アニメ化したらウケるんじゃないかと思っていた4コマも、遂に完結。超箱入り娘の雫と仲間たちの高校生活は思いの外静かに幕を閉じました。

いやね、確かに「盛り上がりに欠ける」とか「え?これで終わり?」と思ってしまわなくもない終わり方ではあるんですが、雫や陽一達の高校生活を描き切って、その卒業を持って彼らのその後は皆さんのご想像に…という方がなんだかからっとしていて良いのかもしれません。なんだか良いじゃないですか。どこにでもいそうな、それでいてちょっと変わっている仲良し高校生達の入学から卒業までの軌跡…って感じでね。

もっともそう思えるのは青春時代が遠い昔になってしまった世代だから言えるのかもしれません。

…まぁ、私の青春時代には雫のような愛らしいクラスメイトや相ノ木の様な気のいい親友とかはおりませんでしたが。(苦笑)

ただ、一つだけ不満があるとすれば…津留崎氏があとがきにて「本来描こうと思っていた彼らが25歳になった姿」を書いてしまった事。これにはちょっと不満。あとがきで書くのなら、本編のラストで描いて欲しかった。いや、単行本最後の描き下ろしとしてでもいいですが、少なくとも「彼らの物語はこうなるんですよ」というのを、あとがきなんかで見せてしまうのは勘弁願いたかったのです。勿論、作者として各キャラクターへの思い入れの表れだと思うんですが、本編に挿入できなかったのならば、もう潔く我々ファンの想像に委ねて欲しかったのですよ。

例えばさ…今更ホセ戦の後のジョーがどうなったかなんて、漫画で読みたいとは思わんでしょ?いや、読みたいと思う人もいるんだろうけども、私としては断固反対なのです。

ファンそれぞれがさ、卒業した雫が、陽一が、相ノ木が、萌が、純が、相ノ木妹が、委員長が、関さんが、先生がどうなっているかを「こうなんどゃないかな?」とか、「こうだったらいいな」って思ってたら、それが正解でいいじゃない、と思うんですよ。

でもなー、昨今のパターンだとなー、オフィシャル的な天の声を重視しちゃうんだろうけどさぁ…なんだかそれって想像の余地をはぎ取られるようで嫌なんだよなぁ…と。


2017/07/04 「虚構推理」(1401) 6巻

この漫画、元々は原作者の城平京氏の小説「虚構推理 鋼人七瀬」のコミカライズでして、この巻で鋼人七瀬を巡る事件は解決する訳ですが、今後も連載は継続…つまりは原作小説を離れて新作エピソードが作られる、という事に。

私は原作の方は未読なんですが、かなり好きな題材です。ただ非常に説明すると長くなってしまうエピソードなので、興味のある人はwikiとか参照。(笑)
最終局面で、鋼人七瀬の噂のまとめサイトにて、鋼人七瀬を虚構であるとする為に様々な仮説を打ち立てていく展開が、まさにネット上で繰り広げられているかの様な臨場感があって中々の見どころになっています。

劇中のクライマックスでまとめサイトの住人の一人が書き込んでいるように、「事件が暴かれるのを目撃してしまっている」かの様な臨場感があるんですわ。これ、「逆転裁判」とか「ダンガンロンパ」みたいなスタイルでゲーム化とかしたら、かなり面白いんじゃないかと。都市伝説を題材としたゲームなら「流行り神」とかもありますが…あれの雰囲気とはちょっと違うんだよなぁ、この何とも言えない迫力は。

興味のある題材だったので何となく読んでみた作品なんですが、この解決編の面白さで俄然期待値が高くなりましたよ、ええ。漫画版オリジナルになるんであろう次のエピソードも楽しみにしたいと思います、ええ。


2017/06/06 「城下町のダンデライオン」(1135) 4巻

単行本ベースで言えば次期国王選挙の結果がアニメに完全に置いてけぼりになってしまった「城下町のダンデライオン」ですが、次期国王は修ちゃんで同じ。ただその選出理由は大分違うようで。まぁ、例え姉妹達に比べて人気薄だったとしても順当な結果なのかも。葵に次いで年長、婚約者が既にいる、というのも優位に働いたでしょうしね。

アニメ版だと葵が自分の本当の能力が「完全学習」ではなく「絶対尊守」である事を国民に告げて選挙を辞退、という流れで結んだらしいんですが、こちらでは更に「絶対尊守」ではなく「本望鼓舞」…人の気持ちをそっと後押しする能力であるとパパが発表。それを受けて葵が国民に本当の気持ちを吐露する…というモノに。
原作既巻でも、聞くところによるとアニメ版でも聖人君子というか、優しいいいお姉ちゃんのイメージが強かった彼女ですが、コレで一気に人間臭いキャラクターになった気がします。その影響か巻末のオマケエピソードではなんだか今までとは違う可愛らしい一面が出ていて良かったかも。ちなみにこのオマケには、パパが学生時代に学校で彼の護衛兼世話係をしていた曽和さんの娘と思しきキャラクターが登場しています。こちらはドジっ子だった母親とは違ってしっかり者の様で。(笑)

で、次期国王選挙が終わって第二章。既に兄のアルヴィン共々ちょい役で登場していたアンジェリカ姫が櫻田家に居候…というお話が展開されます。

典型的なバリバリのお姫様が他国へ留学し、庶民の生活に慣れ親しむ…というのがテーマ。そういえば櫻田家の面々はあえてそうしてるんでしょうが、王族感は内面はともかくとしてぱっと見は割と薄目でむしろ俗っぽい印象だった訳で、そこにアクセントが加わった、という形に。

主人公…というか物語の主人公的ポジションはアンジェリカで、同い年という設定の岬と遥、そしてアンジェリカの世話役で高校に舞い戻る羽目になった茜がメインに。特にアンジェリカがあまり良い印象を持っていない遥は茜共々彼女のクラスメイトとなり、かつ彼を慕う委員ちょ…綾瀬さんが登場するなど、かなり優遇されている印象。メイン役続投ともいえる茜はアンジェリカに熱烈に慕われている、という事で安泰。多分、作者は茜大好きなんでしょうね。

ただ、相対的に修ちゃんや奏、光、葵の登場頻度は薄くなりそうな印象。特に葵は選挙終了後一人暮らしを始めた為に出番はかなり薄くなるんじゃないかと。ついでに輝と栞の年少組も相変わらず出番はそんなになさそうかな。

ともあれ、選挙が終わってから残っているのは「王族」と「特殊能力」というキーワードのみ。学園生活を面白おかしく描く日常系作品なんて今となっては掃いて捨てる程ある訳でね、そんな凡百の作品群に埋まらずに済むかは、これからが正念場かも知れませんね。

とりあえず、今後の展開に期待、です。


2017/06/04 「僕らはみんな河合荘」(769) 9巻

…まずは取り合えず言っておいた方が良いよな。

「リア充爆発しろ!!」

全巻で距離がぐっと縮まり、ようやく今回成就した律ちゃんと宇佐君のウブカップル。この2人の売れし恥ずかし甘酸っぱい青春真っ只中っぷりをこれでもか!!という位に前回な巻になっています。一応世間一般的には「僕らはみんな河合荘」はラブコメに分類されている作品ではありますが、例えば古典かつ名作の「めぞん一刻」の様に主人公とヒロインがくっつくのがゴール、というのが定番なんですが、くっついた2ひとがドギマギしながら少しずつもっと親密になっていく様を描いているのが面白い点。ラブコメはラブコメなんだけども、本作の場合は作者はむしろ群像劇的な要素を強めに出したいんではなかろうか、と思うんですわ。

ともあれ、小難しいことを考えずにウブで初々しいカップルを身悶え、ニヤニヤ楽しむのが多分この9巻の正しい読み方、楽しみ方だと思います。うちわの件とか、ソフトクリームの件とか。そして、私の様にあまり輝いていない、むしろ梅雨時の部屋干し洗濯物の近くの様な、薄暗くじっとり湿気が多い青春時代を過ごした者にとっては、もうね、

「リア充爆発しろ!!」

と言わざるを得ない程の、直視出来ぬまばゆさというか、手が届かない、手を伸ばすことも許されない…まぁ、そんな感じですよ、チクショウ!!(笑)

でもこの作品、どんな終わり方になるんですかね。一番作者的に楽なのは、律ちゃんと宇佐君がくっついた段階で終わり…というパターンなれど、それならこの巻当たりで終わっている筈だし何より本作において作者がやりたいこととも違うと思う訳で、そうなると…という事で個人的な予想をば考えてみました。

1.シロさんが河合荘の出来事というか面々をモチーフにした小説を出版。タイトルも「僕らはみんな河合荘」だったり。で、実は律ちゃんに進められて宇佐君が読んでいた探偵モノと思しき小説の作者も実はシロさんで、ロクに働いてもいなさそうなシロさんは結構な額の印税を貯めこんでいた事が発覚。んで、麻弓さんが「シロのくせに優良物件だったんじゃねぇか!!」みたいなツッコミを入れて終わり。

2.律ちゃんと宇佐君が高校卒業。二人は大学も河合荘から通う事になるが、麻弓さんが職場の宇佐君似の同僚あたりと結婚。そしてほぼ同時期にさやかも地元に帰る事に。そんな折、1巻の宇佐君の様な感じで新生活に夢を抱いた入居希望者が…で終わり。

細部はともかくとして、シロさんが小説だしてそのタイトルが「僕らはみんな河合荘」…ってのは、なんだかありそうな気がするんですよ。小説らしきものを書いている伏線も張られてますし。ただ、麻弓さん結婚ENDもなんだかありそうな気がするんですよねぇ…。

ま、ともあれ次巻も楽しみですな。

…最後にもっかいくらい言っとくか。

「リア充爆発しろ!!」



2017/04/30 「恋は光(1185)」6巻 その感想及び傾向と対策に関する一考察

言った言った、北代が言ったーっ!!(ザ・マシンガンズvs宇宙一凶悪コンビの実況風に)

宿木さんのアイデアでSNSに西条に見えている謎の光について発信し、同じ様な体質?だとうい女子高生・央と大学の学園祭で会う事になった西条。彼女役として同席してもらっていた北代さんに、央は思いもよらない言葉が飛び出します。

今までで見た誰よりも、北代さんが一番光ってる

前回、この「恋は光」を取り上げた記事を読んだ人は覚えているかもしれませんが、幼少の頃のとあるキッカケで徐々に北代さんは西条に対し友達以上の感情を抱くに至っている…にも関わらず、西条曰く「恋をしている人が光って見える」な彼の目には、北代さんは光っていなかった。それがある種負い目というか、彼女が西条との関係にもう一歩踏み込めない理由、彼との関係を壊してしまうかも知れない自分の気持ちを伝える事への言い訳だった訳です。

それが、央の何気ない一言によって崩される。そこで…遂に北代さん、一歩踏み込んだんです!!いつもの様な軽口が返ってくると確信していた西条を裏切り、今までひた隠しにしていた本心を、遂に…!!

北代さぁぁぁぁん、やったよぉぉぉぉっ!!

確かに、彼女の考えた通りタイミングはこの時しかなかったでしょうね。西条は東雲さんに自身に見えている光について告白し、この機を逃したら今まで通り傍観者になってしまい、最後まで彼に本心を伝える事は出来なかったでしょう。彼女の踏み込みに対し、西条はどう答えを出すんでしょうか。そして東雲さんは気付いたらしい、西条の見る光の正体とは!!

…いやー、続きがもう気になる気になる!!

また、思いがけない北代さんからの告白を受けての西条の心情もね、上手いというか、ズルい。そうだよね、可愛い娘が妙に自分に構ってくれていたら男たるものそりゃ勘違いの一つや二つはしちゃいますわな。そこで素直な気持ちを吐露できなかった原因は、西条の家庭環境であり、見えだした光でもあったんでしょう。そう考えるとさ、西条の光、彼にとっても北代さんにとっても最早「枷」なんだよね、ウン。

…で、光の正体についてワタクシも考えてみたんですが、さだまさしさんの歌に「恋愛症候群〜その発病及び傾向と対策に関する一考察」というのがありましてね、その歌詞に

♪相手に〜求め続けるものが恋〜奪うのが〜恋〜与え続けていくものが愛〜変わらぬ〜愛〜だからありったけの想いをあなたに〜投げ続けられたら〜そ〜れだ〜けで〜いい〜

というのがあるんです。これを踏まえ、西条の見ていたのは「恋心」であり、央に見えていたのは「情愛」なのではないか、と。宿木さんが北代さんへの対抗意識で西条に接近した際に光だした点なんか「恋心」…即ち奪いたい、という心情の典型でしょうし、彼女が西条に関して本気になった際も、北代さんや東雲さんの件を知っているからこそ光っている訳です。東雲さんに関しても同じで、西条を意識しだした背景には北代さんや宿木さんがあった訳で、何より西条を対象に恋というモノを知りたい、という欲求もあった筈。

対して北代さんは、西条が東雲さんに好意を持った時にしろ、宿木さんと付き合うことになった時も西条に対して不満や嫉妬みたいな感情を持つことはなかった訳です。少なくとも西条の前では。その上、こんな発言もしていますね

「私はセンセがどんな結論を出したとしても、それで色々ゴタついても、こうやって一緒にいてやるよ」

これが、北代さんの本心だったんじゃないかと。これはまっさん的な理論でいえば、最早「愛」ですよね、ウン。

…ちなみにこの台詞、私が北代さんというキャラクターにはまった最大の理由です、ええ。

いや〜でもどうなんでしょ。こういう考察、答えが出ちゃう、しかもそれが割と的外れだったりしてると恥ずかしいんですが、楽しいんですよね、やっぱり。


2016/12/30 漫画の脇役達について その3

さて、3日目は「大人の脇役」と題して書いていきます。

別に昨今の漫画作品の手法にケチつけるつもりはないんですが、特に黄金期以降の少年漫画やライトノベル原作モノには必要以上に大人がいない作風が少なくない気がします。分かり易い作品で例を挙げれば「ドラゴンボール」ですか。

よくよく考えてみると、悟空って肉体的、戦闘能力的にはガンガン成長しますが、根っこの部分…人格面や成長面ではあんまり成長していないキャラクターですよね。人格的には幼少期からある程度完成されてしまっていて、知恵、知識による上乗せはあってもそんなに大きく精神的な成長を遂げている…というのは違うかと。勿論、「ドラゴンボール」という作品がある程度そういう要素が本筋に絡まない作品…というのもあるんですが、師匠たる亀仙人にしたって悟空を鍛えはしても、成長を促す存在では無かったように思います。

つまりは、結構「大人が不在」だった作風にも見えるんですよ。もっと露骨なのが学園とかを舞台にしたライトノベル原作モノ。ラブコメモノだと舞台を学園にして露骨なまでに大人と呼べそうな存在を排除しにかかりますし、バトル系のモノでも設定で大人が少ないとしてしまったりする作品って多い気がします。例えば、ラブコメモノでは主人公の高校生は両親が海外出張で妹と二人暮らし、という設定だったり、バトルモノでも登場する教師をわざわざ容姿を幼くしたりと主人公達に近しい位置づけにしたりしている気がします。

いやいやいや…私ゃその手法が悪い、と言ってるんじゃないんですよ?そもそもライトノベルに関してはコミカライズとかしか読まないので門外漢と言われればそれまでですし、そういった作品群に精通している人からすれば、偏見なのかも知れませんし、そもそも私自身も別にそういう作品の中に好きな作品はありますしね。

ただ、例えばより現実に近しい…例えば部活モノであったり、青春モノであったりするなれば、導き手って大事なんじゃないかな?というのがこの「大人な脇役」について書こうと思ったキッカケなのですね。では、こういう大人に惹かれる、尊敬する…と思わせる、漫画世界の脇役を挙げていきましょう。

真っ先に挙げたいのはこの人、井狩俊樹
誰かと言いますと、日本一泣けるレースマンガ「Capeta」(67)に登場するキャラクター。カペタの父・シゲさんが勤める会社・イカリ舗装の社長さんです。息子の為に必死にカートレースの費用を稼ぐ父・シゲさんや、カペタにとって初めて師匠と呼べる存在である竹森さん等、この作品は良い大人、カッコいい大人が沢山出て来るのですが、導き手として最も光っていたのはこの社長なんじゃないかと。 
特に、貧乏なカート時代はこの人がいなければカペタはレース活動を続けられなかったであろう、彼にとって最初のスポンサー。そして社長自身も要所要所で重みのある言葉でカペタを叱咤しています。実は、コミックスのカバーに描かれるカペタのレーシングスーツにはイカリ舗装のロゴが大抵入ってるんですよ。
この作品、カペタや源の天才っぷりやノブやモナミとの友情、そして熱過ぎるレース展開ばかり注視しがちですが、彼等を見守る大人達も中々に熱い作品なのです。

続いてはゴルフ漫画から「風の大地」(54)の宇賀神さんや、「新上ってなンぼ 太一よ泣くな」(53)の闇塚さン、蝉丸さン。この2人は導き手、というのとはちょっと違うんですが、コースで戦っている主人公が窮地に陥った時、回想として彼等が登場して的確な助言をし、ナイスリカバリーで窮地を脱出…というパターンが共通して多いんですね。
ゴルフ漫画ってのは個人、しかもメンタル面が大きいスポーツ。しかもトーナメントとかに出場していたとしても、突き詰めてしまえば本当の意味での敵はコースそのものだったりする訳で、他のスポーツの様な師弟関係ってのは案外表現し難いんですね。そういう意味で言えば、コース外でもこういう師弟…とはちょっと違うんですが、そういう関係性を作れているキャラクターとして貴重な存在なんじゃないかと。ゴルフ漫画でも長期連載になっている作品の2大巨塔ですしね。

そしてラストは今度アニメにもなる「亜人(デミ)ちゃんは語りたい」(1212)の高橋先生…って、この人主役ですが。(笑)
ただ、この人の場合、亜人達の学校生活を見守り、導く立場でもある訳で、そもそも亜人達への対応等に苦慮したり、関係の在り方に苦悩したりと主人公らしい事もしますが、基本は亜人達の生活に関して噛み砕いて読者に伝える様な役割を担っているキャラクターだったりもします。導き手、としての「大人」としても非常に良く出来たキャラクターなので、ルールを曲げて敢えての紹介です。

他にも複数人で括れば、例えば「鋼の錬金術師」(243)のカーティス夫妻「ARMS」(57)の"通りすがりのサラリーマン"と"笑う女豹"夫婦等の親、ないし親代わり、というポジションの人にこの手の「大人」は多いですね。それから「銀の匙」(679)の教師陣「みそララ」(854)の上司陣なんかもそうでしょうか。

ただ、個人的に一番惹かれるのは「妖怪アパートの幽雅な日常」(843)のアパートの面々や、「大江戸妖怪かわら版」(1181)の江戸の住人達でしょうか。2作とも、原作が児童文学も手掛ける故・香月日輪さんなので、見守る目が暖かいんですね、ええ。

と、いう訳で、脱線も多かったですが「脇役について」はこれにて終了。



2016/12/29 漫画の脇役達について その2

さて、2回目…という事で今回は脇役女性キャラ、というのを題材にして一つ書いてみます。まぁ、女性脇役キャラといってもサブヒロイン的な人から完全なモブの人まで色々とおりますが、取り敢えず個人的に好きな脇役女性キャラを挙げていきますと…

シャウィー 「マージナル・オペレーション」(1104)
ルカ 「ベルセルク」(47)
アンジー 「RED」(37)
ヘレナ 「EDEN」(190)
ライラ 「勇午」(787)
ミザリィ 「ゲート 自衛隊彼の地にて斯く戦えり」(829)


…はい、彼女らには共通点がありますね。全員、「娼婦」です。(苦笑)
そして全員に言える事は、身をひさぐ、という蔑まれる様な行為で糧を得ていてる事を承知で、強かに、そして誇り高く生きている…という点。それ故に娼婦仲間の中でも一目置かれた存在であり、仲間はおろか客にも彼女を慕う者が多い…という、総じて、"さん"づけ、ないし姐さんと呼びたくなるようなキャラクター達です。

シャウィーはアラタが研修の際に出会った女性。漫画版では基地近くの売春宿に身を置く他、基地で日本語通訳も担当。包容力が高い女性で、研修時代のアラタの心の支えとなった人物。私が見ているのは漫画版のみですが、今の所作中で「一番良い女」だと思っています。原作版では再登場するとの事なので、漫画版でも再登場期待してしまいます。

ルカは断罪篇に登場した娼婦達のまとめ役で、キャスカを保護したキャラクター。ガッツ達との絡みは然程多くなかったものの、"完璧な世界の卵"に彼の目的や身の上話を聞かされる、というキーマン的な存在。

アンジーは娼婦をしていた街にやって来たREDを気に入り、彼の復讐の度に同行する事となる女丈夫。ヘレナは「EDEN」の中盤からしばらくは主人公をヒモにしていたキャラクターで想い人的な存在。主人公に多大な影響を与えた事を考慮すればヒロイン格とも言える存在でしたな。

ミザリィは帝国悪所で亜人種の娼婦達のまとめ役的なポジションの有翼人で、自衛隊の協力者の1人。残念ながらこの中では真の意味で脇役なので、描写自体はそんなに多くないキャラクターですが、漫画版ではありますが少ない彼女の描写は他に挙げている姐さん娼婦キャラに負けない魅力があります。

この手の、性格は男勝りでやや蓮っ葉な所はあるものの、娼婦に身をやつしながらも人としての誇りは捨てていない強い女…それでいて人情味も併せ持つ…という、そういうキャラクターにワタクシ、滅法弱いんです。(笑)

ただライラだけは若干素性が異なるかも。彼女はパキスタン編に登場するキャラクターで、本業は旅芸人(踊り子)だが身体も売る、という女で、体を売るという穢れた行為の時に間違って神(アッラー)の名前を声に出さない様親に舌を切り取られている…というキャラクター。故に最後の最後にしか喋らないんですが、困難な仕事を果たそうとする勇午に献身的に尽くす様がまぁ何とも健気なキャラクターなのです。

いやね、私ゃ別に風俗通いとかしてませんし、キャバクラ嬢とか風俗嬢の世界を描いた、みたいな作品には正直微塵もキョーミなかったりします。でも、フィクションでのこの手の娼婦キャラってのには…何故か惹かれるんだよなぁ…。

…というより、背中を押す系の女性キャラクターに弱いのかもなぁ…。
と、いう事で次回は「大人な脇役キャラクター」について書こうと思います。



2016/12/28 漫画の脇役達について その1

今回は、単体タイトルではなく「レイコックの好きな脇役キャラの傾向」と題して、脇役キャラクターについて書いていこうかと。漫画…に限らずドラマ、小説、アニメ…フィクション全般に言える事ですが、そりゃあ主人公に魅力がなければ話にならない訳ですが、主人公単体の魅力では中々面白くなってくれない訳です。そこには可憐なヒロインだったり、心強い仲間だったり、強大な敵が重要…そこで、今回はあまり物語の本筋に絡んでこない系統の「脇役」にスポットを当て、ワタクシの場合どんな脇役に惚れるのか、というのを書かせて頂く、というのが今回の嗜好となります。

1.サブ的ライバルキャラクター

主人公のライバル的なポジションではあるものの、本筋…例えば主人公の目的等からはやや外れていて、宿敵、とかそういう類ではないタイプの脇役ですね。主人公と時に共闘したり、ピンチに駆けつけたりする中々美味しいポジションで主役を張るエピソードを貰えるキャラクターなれど、仲間になった途端、弱体化したり噛ませ犬化したりする傾向があったりもする…というアレです。

そんなキャラクター群でレイコックのお気に入りは…

ボー・ブランシェ 「スプリガン」(58)
オーパーツの力で世界征服を企むネオナチの少尉で、後には主人公サイドであるアーカムの仇敵・トライデントの傭兵となる男。彼のユニークな所は悪役サイドのキャラクターであり、「強者が弱者を導くべき」という戦民思想の持ち主ながら、その思想には「同時に強者は常に弱者を守り幸せにするべき」という続きがある…というノブレス・オブリージュ的な思想の持ち主。主人公との対決を差し置いて子供を助けてしまう、等決して悪人という訳ではない、いやむしろ根っこはかなり良い奴、というのがポイント。
戦いも正々堂々としたものを好み、日本のゲーム等の影響で「決め台詞を言う」「必殺技の名前を叫ぶ」等と言った正義の味方的な行動をとる実に面白いキャラクター。最期、暁が彼に告げた一言にこみ上げた人も多い筈。

ゼロ 「闇のイージス」(542)「暁のイージス」(543) 
頭部に受けた銃弾で痛覚や温度覚、味覚まで失った殺し屋で、幼い頃から暗殺者としての訓練を受けた上、自らの無痛症体質を生かした無茶な戦いで、「殺さず、殺しに加担をしない」を信条とする雁人の前に「殺さなければ止められない」存在として幾度も立ちはだかったキャラクター。ゼロ自身も不殺を貫く雁人の信条に対し強い反発しているが、対決を重ねる内に交わらないまでも雁人と共闘するまでに至る…というかなり美味しいポジション。
サブライバルの典型みたいなキャラクターなれど、中盤以降、もっとサブライバル…むしろサブ主人公的なポジションとしてジーザスが登場してしまった為にイマイチ存在感が薄れたのは残念かも。でも、ジャン・レノをモデルにした風貌や、「灰は灰に…塵は塵に…土は土に…」という聖書から引用した決め台詞が良い感じなのです。

海坊主 「シティーハンター」(33)
元傭兵で裏の世界ではシティーハンターと並び称される凄腕のスイーパー・伊集院隼人こと海坊主ですね。私と同じ位の世代なら、もう何度も本放送、再放送でアニメの「シティーハンター」を見ている事でしょうから説明不要でしょうね。ライバルという割に、初登場のエピソードや美樹の件、視力を失った際位しか直接対決はないんですが、完全な仲間、というよりはライバルポジションとしたいですね、やっぱり。
リョウがスケベなキャラクターをウリにしていたので、硬派な中にもふとみせる不器用な男の優しさ、という描写が多かった海坊主の方がむしろ思春期の読者のウケは良かったんじゃないかと。ルパンより次元、的なノリで。

TETSU 「スーパードクターK」(29)
「スーパードクターK」から「Doctor K」「K2」と3作全部に皆勤賞のライバルキャラですね。ちなみに本名は真田徹郎で、アニマルウェポンやガン発生装置等で暗躍したテロリスト的な医師・かきょうい…ゲフンゲフンッ…真田武志の実弟だったりします。彼も根っからの悪人というよりは過去により歪んでしまった男。意外と子供好きだったり憎んでいた筈の兄の死に涙したり、と人間味が強いキャラクターでもあります。
彼の場合、タイトルが進むにつれKAZUYAへの執着が強くなっていく…というのが現在進行形で面白いキャラクターで、「ドクター」ではKAZUYAの妹・KEIと奔走したり、「K2」でもKAZUYAのクローン・一也に執拗に絡んだり、とツンデレ状態に陥ってます。

他にも、「D-LIVE!」(51)のロコや、「無限の住人」(11)の凶戴斗「ブラックジョーク」(702)のジョニー「エンジェル伝説」(31)の黒田とかですかね。作品自体はあんまり惹かれませんでしたが、「るろうに剣心」の斉藤一とか、この近辺のジャンプのバトル系漫画なら探せばもっと見つかるかも。尤も、その辺りのジャンプ作品自体にあまり思い入れが無いというか…。(苦笑)

ただこのサブライバル…割と私が好きな系統の漫画には少ない気が…というより、一歩間違えると只のライバルになっちゃうので、自分で区分しておいてなんですが選び難いというか何と言うか…。

そんな訳で長くなったので続きは次回。
女性キャラ編か大人キャラ編をやろうと思ってます



戻る