100選クローズアップ編 その12


2015/11/22
その1.「北斗の拳イチゴ味」(1034)


我等が聖帝様を主人公とした「北斗の拳」パロディ漫画「イチゴ味」ですが、「DD北斗の拳」と一緒にアニメ化されて密かに話題になっているみたいですね。尺がたった2分、というオマケみたいな扱いらしいですが、評判の方は中々良い様で。尤も、作品内容自体が言葉は悪いんですが「出オチ」の様な作品な訳で、30分アニメにしてしまったらかえってテンポが悪くなったりするでしょうからショートアニメの尺は「イチゴ味」にはちょうど良いのかも。
ちなみに、DVDとかは「DD北斗の拳」に収録…ではなく独自に全1巻にてリリースされるんだそうで。コレは…見てみようかなぁ、と。


その2.「まりんこゆみ」(1027)

日本の女子高生がアメリカの海兵隊に入隊!!という奇特な設定ながら、実際に海兵隊員だった原案担当のアナステーシア・モレノさんのおかげでリアリティのある描写が光っている漫画「まりんこゆみ」ですが、そのモレノさんが今年の7月にガンでお亡くなりになったとの事。一応最終話までのプロットは出来ているとの事で作品自体は続投との事ですが、謹んでご冥福をお祈りいたします。

ちなみに漫画本編は沖縄赴任、北海道で演習、と日本が舞台になっているのでより分かり易いスタイルになっています。沖縄の米軍基地に反対する人々の事なんかにみも触れられているのも、この手の作品としてはむしろ好感度高いです。また、5巻には「100選」でも紹介している「ヒゲの隊長 絆の道 〜果たしたい約束がある〜」のヒゲの隊長こと佐藤正久氏が登場してます。
そういえば、佐藤氏が集団的自衛権絡みのインタビューにて徴兵制に関して「絶対にない」理由として18条の「苦役」にあたる事を挙げていたことに、論客を気取りの元漫画家(現アイドルのおっかけ)が

かつての自分の任務を「苦役」と思っていたらしい。
国を守るのは「崇高な任務」のはずなのに、自衛官に対する侮辱である。

等と言っていましたが…この元漫画家は防衛大における第一回卒業式の吉田茂元首相の訓示を知らない訳ではないでしょ。そもそも左巻きの連中に二言目には「憲法違反」だの「暴力装置」だの言われてるのに、いざという時には体張って国民の利益を守ろうとしている…その行為が「苦役」でなくて何なの?と。その苦役を笑顔でこなしているからこそ立派なんじゃないかと思うんですが。

韓国が徴兵制である点とかも書いてましたが、何故韓国だけを引き合いに出すのかがそもそも理解できませんし、韓国が戦時中なのは周知の事実で別に間違った説明では無い訳で。これでは論破等ではなく文句です。しかも程度の低い。

5巻でもネタとして挙げられていたんですが、アメリカでは軍人は名誉ある職種で安定している故、軍人と結婚したい女性は多いんだそうで。でも日本となると自衛隊はむしろ嫁不足、なんて言われますわな。個人の体験談ですが、現場に自衛隊上がりの若い監督さんがいた事があって、新人(といっても私より年上)が

「やっぱり自衛隊に入るのって人殺したりしたくて入るんですか?」

なんて、山本太郎みたいな戯言をぬかしやがって呆れた事があるんですが…残念ながら世間の目線ってこの程度なんだろうな、とも。フィクションでも日本は徹底して卑下してるか、逆にヒーローじみて描くかの両極端…ゼロか100かしかない状態ですからね。刷り込み的な「軍隊は悪」みたいなイメージがある訳で、視点がフラットとは言えない気がします。そんな状態で集団的自衛権云々…マトモに議論出来るんでしょうかね。

そういう意味で言えば、漫画としての誇張表現がゼロではないにしろ、この「まりんこゆみ」や「ライジングサン」(847)みたいな漫画は、そういうのを知っていくキッカケになれる作品なんじゃないかな、と思うのです。少なくともその元漫画家の近年の「先ず結論ありき」な著書とかを読んで分かったつもりになってしまうよりかは。


2015/10/25 「ヒモザイル」休載騒動について

東村アキコ氏の「ヒモザイル」が二話で炎上して休載…というのがあった訳です。この作品の中身は、東村氏の実在するプロの漫画家にはなれそうもない(と取れる作者の評あり)アシスタント20代未婚男を良い感じのヒモ系男子にして、作者の知人のアラサーキャリアOL達とくっつけてしまおう…という、まぁ下世話感丸出しな実録漫画。炎上した理由として挙がっているのが

作者がやっているのは雇用主が本来の業務とは別の業務を強いているパワハラ
この作品内で言われてるヒモはヒモではなく専業主夫
誰に対しても上から目線な作者が不愉快

と、まぁこんな感じかと。それに対してはまぁ、信者…ではないんですが、支持者から例の如しで

面白いんだからいい
炎上とかやりすぎ

的な意見。
実は私、騒ぎになる前に1話だけ見てるんですが、その時の感想、たった二言で集約できてしまうものでした。その二言とは

この企画、編集とかに誰か止める奴いなかったのか?
そもそも中身も下品で独りよがり。

というモノ。
まぁ、ある意味批判も織り込み済み…言い方は悪いんですが、炎上商法的な先ず「話題性優先」な作品…というか、企画で、とりあえず巻き込まれても不快になるだけでメリットはねぇな、という判断をして、二話の方は見る気も起きなかったんですね。

そもそも、「じゃあなんで見たんだ」と言われればそれまでですが、「100選」でも紹介している東村氏の「主に泣いてます」(1026)…この作品にトキというハバアが登場するんですが、コレの使い方がまぁ不快で不快で堪らなかったんです。シリアスっぽいシーンの背景でバカ騒ぎを繰り返すキャラクターで、その空気を徹底して読んでいない感じがとにかく嫌いだったのです。まぁ、コレをコメディリリーフとかギャップの面白さ、ちょっとしたおふざけ、なんてで評価する人もいるのかも知れませんが、トキババアが登場するシーン…稀にマトモなシーンもありましたが、それ以外はとにかく目障りに感じました。「主に泣いてます」という作品自体は面白かったですし嫌いではないんですが、多分…根っこの部分で東村さんの感性には私は合わないのでしょう。

ともあれ、結局ネットに吹き荒れた批判の嵐で作者はあっさりと休載を決定。結局さ、何がしたかったの?と。もしこの企画に本気だったらさ、批判されてもやり通すのが作家、クリエイターとしての意地なんじゃねぇの?と思うんですが…ちょっと批判されただけでとっととケツまくってしまうってのは、結局面白い作品を作る、という事ではなく、話題にして商売にする、というスタイルで作品に向き合ってるんだろうな、と。東村氏の作品がここ数年でアニメとかドラマ、映画化が続いたのも、作品に対する心情的な部分で何かしらの影響があったのかもしれません。

漫画家にも二種類いる。

売れる事優先で媚びて尻尾ふる奴と、

売れなくとも咬み付き続ける奴。

俺は、咬み付き続ける奴が好きだ。

何でこんな…初手で不快に思われる事が前提な企画スタートしておいて、都合が悪くなったらさっさと謝って逃げるんだ?もしかしたら不快に感じる人なんかいない、という確信があった、ないし不快に感じるかも等と考えもしなかったんだとしたら…そりゃアウトな気もしますが、ネットでの罵詈雑言如きでとっととケツまくるってのはどうなんでしょ?

あ、私は上記した通り、根本的に「ヒモザイル」という作品を全く評価してません。私にとって読む意味、付き合う意義を感じないと判断した作品です。ですからこの記事は擁護してる訳では断じてありません。
でも、逆にネット上で繰り広げられる作品自体の評…作品の問題点をあぶり出していたりする様なものならともかく、坊主憎けりゃ…的に作者の人格否定とかにまで発展している、言わば「炎上させているコメント」とかにも全く賛同出来ないんです。

とにかく、この東村氏のケツの割り方は些か釈然としないんです。こんな事で簡単に休載を選ぶ…というのは、作家としての資質まで問われる行為であると同時に、モンスターペアレントや悪質クレーマー的に「読者やファンを甘やかす行為」にもなってしまうと思うんですよ、私は。気に入らない作品は袋叩きにすれば無くなる…という風になるのは、作者や出版社のみならず、漫画ファンにも決して良い方向にはならない、と私などは強く思ってしまうのですよね。



2015/10/15 竿尾悟先生の作品について

先日、「ひとこと」で「GATE 自衛隊、彼の地にて斯く戦えり」のアニメについてちょっと書いたんですが、今回はその漫画版を担当している竿尾先生の隠れた人気作「迷彩君」について書きましょう。

「ガールズ&パンツァー」や「ストライクウィッチーズ」、「艦隊これくしょん」等のヒット割と一般的(オタク界隈限定で、ですが)になった気もする萌えミリタリーという奴ですが、その先鞭をつけた作品だったかもしれないのがこの「迷彩君」なのです。

何せ、萌えミリタリー専門誌を名乗る「MCあくしず」の刊行より6年も先にスタートしている作品…というと、

「それより前にスタートしたライトノベル『フルメタルパニック』の存在を忘れてもらっちゃ困るぜ。中身だって『迷彩君』は『フルメタルパニック』のパクリだし。」

的な事を宣う人が出てくるかもしれませんが、「フルメタルパニック」という作品…アニメやコミカライズも含めてですが、確かに他の作品より強くミリタリー色を打ち出した作品ではあるものの、基本的に作品のフォーマットはミリタリーというよりはロボットアニメのそれです。実在する兵器も登場するものの、それが主軸とはならず超兵器も超能力もある作風です。作者本人も高橋良輔監督作品のファンを公言していますし、実際にロボットアニメから着想を得たであろうエピソードがあったりもする訳で。

一方の「迷彩君」ですが、大学生とプロの傭兵という二足の草鞋を履いている男・迷彩君こと野本が同じ大学のゼミに所属するトモさん達と巻き起こすドタバタコメディ…要は、ミリタリー脳な変人が周囲を巻き込んでの大騒動、という宗介の学園生活に通じる中身ではあるんですが、登場する兵器は全て実在する…ないししたモノ。しかもその描写、ディテールが凄い事になっているのが特徴なのですね。そんな訳で、本家ミリオタの皆さんにも「迷彩君」とその作者である竿尾先生の名は割と知られているとの事。何せ、ミリタリー劇画の大家・小林源文氏の影響で漫画を描く様になった…というある意味筋金入りですから。(笑)

でも、心の師匠とでも言うべき源文氏の作風とは大きく異なり明るくコミカルなのが特徴なのです。この「迷彩君」もそうですが、続く「コンビニDMZ」でも何ともマニアックなれど基本は馬鹿馬鹿しい、というネタで構成されてます。また、人物画も写実的、劇画調、というよりは漫画的な絵、と申しましょうか、過度にリアリティを押し付けてくる訳でもなく、それでいて過分なディフォルメも無いのが特徴。女の子キャラもスタイルは良いが肉付きも良く、ヒロインは大抵巨乳ですが、悪い言い方をしてしまえばやや古臭い絵柄…80年代の漫画やアニメにありがちな絵…それでいて銃やら戦車、艦艇なんかの描写はやたら緻密…というのがまぁ、面白いんですね。

昨今の萌え絵とか呼ばれる類のモノは、好き嫌いはともかくとして人としての造形で言えば明らかに奇形…まぁ、パースだのデッサン力云々は置いておいてそういうのはそういうディフォルメがされた"そういう絵"な訳です。描く方も見る方も、ある意味"分かっている"訳で。だからといっちゃあ何ですが、漫画としては大して面白くもない作品がそのキャラクターのディフォルメの妙だけでヒットするケースもある訳で。

そういう意味で言えば、竿尾氏の作風はシチュエーションやストーリーを過度に阻害しない、という点では「GATE」の様な小説媒体の作品のコミカライズ、という作業には非常に向いている作家さんのではないか?と思うのですよ。勿論、「GATE」の場合は軍事を題材の1つとした作品な訳で、兵器や戦闘シーンの描写の緻密さを一番に買われての起用だとも思いますが。

と、いう訳で、アニメの「GATE」見てハマッちゃった、という人には「GATE」のコミカライズ版も強くお勧め…したいんですが、アニメ版の…言葉は悪いかも知れませんが、よりアニメアニメしたキャラクターデザインを支持している人には、ちょっとお勧めしにくいかなぁ…と。個人的な意見を言えば、説得力という点ではアニメより漫画版のキャラクターデザインの方が優位にある、と思っているんですが。

ともあれ、コミカライズ版の「GATE」を面白いと思ったんなら、作者繋がりと言う意味で竿尾氏の隠れた名作「迷彩君」も読んで見て欲しいな、と思う次第なのです、ハイ。


2015/10/01 「僕らはみんな河合荘」(769) 7巻

今回は大分待ったような気がしないでもない「河合荘」の最新刊。
今回、律ちゃんと高橋先輩、宇佐君と椎名さん、お互い急接近した関係に対し嫉妬とか誤解とか色々やらかして、何故か律ちゃんが林さんと仲良くなり、まどろっこしい事この上ない律ちゃんと宇佐君の関係もホントにちょっとだけですが、前進しています。

でもそんな事はどうでも良くなっちゃう位この巻で輝いていたのは間違いなく麻弓さんです。ええ、もう異論は一切認めませんっ!!(笑)

今回、メンドクサイ形で大いにこじれつつある律ちゃんと宇佐君の関係に、いつもは面白がって(というより若さへの嫉妬心から)ぶち壊す側な麻弓さん、珍しく煮え切らないウジウジモードの宇佐君に対し一喝!!このシーンの麻弓さん、作画自体もかなり気合入ってるのが分かるシーンでもうね、滅茶苦茶カッコ良いんですよ、ええ、もうホントに。もう惚れ直しちゃう位。

で、何とか誤解というか、すれ違っていた気持ちが何とか元の鞘に戻る訳ですが、ココで、外は雨、縁側で並んで本を読んでいるうちにうたたねしてしまった宇佐君に対し、律ちゃんが今巷で流行の「壁ドン」を敢行!!実は起きていた宇佐君は律ちゃんが去った後悶絶…その直後です!!見開き片側全部使った黒バックのコマで酒瓶持って立ち尽くす麻弓さんが一言…

…卑怯だよコレ!!コレで笑わない奴なんかいねぇよ!!(笑)

他にも、律ちゃんと麻弓さんの入れ替わりとか、河合荘3人むす…め?の料理対決とか、カバー裏のオマケとか、河合荘メンバーの時代劇コスプレとか、本筋以外でも見所満点な第7巻、麻弓さんファンなら3冊は買うべきだな、ウン。

でも普段のダメっぷりからは想像もつかない程のカッコ良さを時折見せる麻弓さん…そんな彼女の内面をちゃんと見てくれている人はきっといるは…って、コレってシロさんなんだよな、うん。



2015/09/20 「うしろのカノジョ(1132)」 完結記念

あ…ありのまま、今 起こった事を話すぜ!

『おれは"いつもの仲良しほのぼの漫画"だと思っていたら いつのまにか"同性愛漫画"だった』

な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
おれも何をされたのかわからなかった…

頭がどうにかなりそうだった…
百合とかBLとかそんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…

…と、いう事で「うしろのカノジョ」の完結記念クローズアップです。佐野先生の4コマ作品とは「smileすいーつ」からの付き合いで、その仲良し、ほのぼのな作風が何とも安心出来てミョーに心地が良く、お気に入りの作家さんだったのですが…この「うしろのカノジョ」の展開には少々驚かされてしまいましたよ。

何と言いますか…佐野先生の作風は基本女の子の仲良しグループがキャッキャウフフ…という日常モノが殆どな訳ですが、その仲良しグループの関係が変な依存したものであったりしていない…親しき仲にも礼儀あり、ではないですが、互いを尊重した距離感が絶妙で、その関係が何とも心地よい作風だったのですね。

ええ、私は百合もBLも好きではありません。性同一障害の方や同性愛者に偏見がある訳ではないんです。むしろ、BLや百合といったモノを嗜好しているファンが何に対してでもソッチに結び付ける思考パターンの方に違和感…いや、もっと言うと嫌悪感があるのです。

ま、コレは性癖とかに纏わる趣味嗜好といったものに限らず…例えば、例えばロボットアニメなんかで架空の兵器に対して現実の兵器と混同して批判…というか難癖をつける類のミリオタや、アニメやドラマを常に性差別とか男尊女卑的な主張にすぐ絡めて主張する様な人とはお近づきになりたくない…こういうのと同列で、例えばフツーの同性の友情だと受け取っていたモノに対して邪な妄想をしてカップリングしてしまう様な傾向のある人ともお近づきになりたくないのです。

つまりは、妄想を他人に押し付けて来るような類の人が苦手なのですね。ブログとかで妄想を書き綴るのとかは別に気にならないんです。そんなの見なきゃ良いんですし、私自身似たような事をココでやって持論を垂れ流している訳で、そこは非難できません。でも、その自身の妄想を持って会話や掲示板に突撃されるのは…どうかと思ってしまう訳です。

そんな私ですから、本作での展開…かんり驚かされました。佐野先生がこんな…割と踏み込んだネタを持ちこむとは思わなかったんですね。血のつながりが無いとはいえアイが兄から求婚されていたり…というのは1巻からあった訳ですが、「小悪魔さん」で妹を溺愛している兄、というのはもうあったネタ訳で違和感は感じなかったんですが、こうもストレートに同性愛というものに踏み込んだネタを使って来るとは思わなかったんですよ。

いや、それを非難している訳ではなく、この同性愛というネタを使いながらも基本ラインは重くせず、さらりと描いたのは佐野先生らしく良いと思いますし、読後感も悪いものではないんですね。この件に関してなんでだろ…と考えてみたのですが…深い領域までは足を突っ込んでいない、という点も勿論あるんですが、至ってノーマルな描き方をしているからなのでは?と。

この作品、BLや百合といったジャンルの作品との最大の違いは、第三者からの欲望の視点から描かれた訳ではない、という点に尽きるんじゃないかと。本作に登場する同性愛者…アイにしろ戸越にしろ、好きになった相手に対して自身のマイノリティを自覚し、葛藤しています。好きになった同性の相手の事を思って行動し、引かれてしまうかも…という恐怖心を持ちつつ、でも諦められない…という、至ってフツーの姿が描かれてるんですね。

壁ドンして「俺だけのものになれよ」とか、「私のお姉さま…」みたいな携帯ゲームのCMみたいな事は言い出さず、好きな人がたまたま同性だった、というのが強く出てるんですね。ココが、私が本作の展開に引かなかった理由なのではないかと。そういう意味で言えば、軽くあまり踏み込んだ描写こそしていない本作なれど、実は至ってノーマルな形で同性愛を描いていた、という事なのかも。

ともあれ、シロがアイの思いを聞いて尚、彼女を拒絶せず受け入れようとする所なんかは…やっぱり佐野先生の漫画だなぁ…と思うのです、はい。



2015/08/09 「蒼き鋼のアルペジオ」(633)11巻、「蒼き鋼のアルペジオ ソルティ・ロード」(1273)1巻

今日、たまたまつけていたテレビで旧軍の潜水艦「伊402」が長崎沖の海底で発見…なるニュースがありました。多分、多くの漫画好き、アニメ好きはこの報を聞いてこの「蒼き鋼のアルペジオ」を思い出した筈。まぁ、ついこの前までアニメもやっていた「艦隊これくしょん」の方を連想した人も多いんでしょうが、「アルペジオ」は今回発見された伊402をモチーフにしたイ402が登場する他、主人公がこの同型艦のイ401ですからね。

この伊402…というより、伊400系潜水艦は、建造当時世界最大(全長は122m!)の潜水艦。現在海自が運用している潜水艦・そうりゅう型の約1.5倍の大きさです。性能の方も凄まじく、理論上では地球を一周半出来る程の長い航続距離を持ち、特殊攻撃機「晴嵐」を3機搭載可能。建造時期から実戦こそ経験せずに終わりましたが、後年の潜水艦の設計にも多大な影響を与えた艦なんだそうな。

個人的嗜好の話ですが、私は基本的に古いモノが好きだったりするんです。学生の頃は西風氏の漫画にハマッてエンスージアストに憧れ、「Tipo」とか「ノスタルジックヒーロー」なんかのクルマ…しかも古いクルマメインの雑誌とか買いあさってましたし、ロボットアニメにしても、CG作画にマッチする様なメカより、手書きセルでフロッタージュで陰影をつけるようなメカの方が好きなのですね。ガンダムで例えると、ジムカスタムとかよりノーマルなジムの方ののっぺり感が好きなのです。

実用品だと古いモノというのは新しいモノより当然使い勝手は悪い訳で、クルマとかだって許されればスバル360とかヨタハチ、ロータスエランとかフィアット500とか乗りたいけど、実用面や金銭面考えて日本車乗ってる訳です。でも基本的に最新技術とか…スゲェ!!とは思うんですが、自分で好き好んでは使ってみたいとは思わないんです。だから未だガラケーでLINEとかFacebookとかのSNSに興味が無いし、スマホやらタブレットとかも持ちたいと思わないんですね。ま、そもそも根本的に携帯電話が大嫌いなんですね、私ったら。(苦笑)

使ってたパソコンだってサポート終了ギリギリまでOSがXPでしたし。(笑)
そんな訳で、正直「蒼き鋼のアルペジオ」は正直、ビミョーな感じがあったんですね。旧軍の艦艇がベースながら、それらが駆使するのは最新…を通り越した超兵器、というのに「だったらオリジナルにすりゃあいいのに」と思ってしまいましたし、そもそもが海戦や戦艦に然程キョーミがない…でも、物語自体は引きが強く、面白いので読み続けていたら、何だか徐々に人気が出て来てアニメにまでなって…という。そういや、アニメの監督って「神様ドォルズ」と同じ人なんだろ、そうなんだろ。

何て言うか、気にも留めていなかったクラスメイトの女の子がどんどんキレイになっていくのを目の当たりにしている様な…そんな感覚でしょうか。
ともあれ、人気キャラのタカオを主役としたスピンオフまで出て来るなど、今後も目が離せないタイトルになってくれた本作、作者であるArkPerformanceを知った「ギレン暗殺計画」の結び方が大変良かったので、本作も最後まで見届けたいと思いますよ。



2015/07/28 気になる事

どこかのまとめサイトで、「アニメしか見てこなかった人間には面白いアニメは作れない」みたいな…富野御大とか宮崎御大辺りが言ってそうな発言に対してのスレッドを見たんですが…この

「アニメしか見てこなかった人間には面白いアニメは作れない」

という言葉に対し、

「アニメしか見てない奴なんていない」

という様な返しをしている人がいて、絶句してしまったのです。
…いやね、今じゃ開店休業中みたいな体たらくですが、今は無い某コンテンツが各所で話題にされた事がありましてね、その時はウチのサイトも怖くなるくらいカウンターが回っていた、所謂「全盛期」という奴があったんですが、その頃に、当時あった記事の私の

「私は趣味が似ていると感じている人が文句言っている作品は基本的に見ません」

というような記事の一文を

「全く文句の出ない作品なんか無いんだから、コイツは何も見ていないんだ」

みたいな事を某匿名掲示板でのたまっている方がおられ、それに絶句させられた事を思い出したのですよ。

誤字、脱字、文法上のミスの宝庫な記事ばったり描いてる私が言えた義理でもないんですが、幾らなんでも国語力…というより読解力無さ過ぎだろ、と。官能小説ばりの詳細な説明がないと分からないもんなのか?と。

いや、「アニメしか見てこなかった人間には面白いアニメは作れない」に関しては私が発した言葉という訳ではないので真意は想像するしかない訳ですが、それにしたって額面通りに捉えて

「生きている中で少なからずテレビ見たり映画見たりゲームしたりはする訳で、アニメしか見ない人間なんてそうそういない」

みたいな返しは…私は出来ません。そこに発言者の真意がある訳ではないと思うので。思うに、

「アニメが好き、というのはともかく、アニメにしか興味が無い、という人はアニメ好きに受けるようなアニメは作れても、アニメに興味が薄い人まで巻き込める作品は作れない」

とか

「アニメ制作を志すなら、好きなアニメだけではなくアニメ以外の様々な表現方法に触れるべき。」

とか、そういう解釈をします。
勿論、コレが全面的に正しい、という訳ではないし、私の解釈でしかない訳ですが。でも、少なくとも発言者の言う「アニメばっかり見ている人」がホントに「他のジャンル一切無視してアニメしか見ていない人」という意味ではないというのは断言しても良いです。

いやはや…全然関係ない話ですが、AVばっかりズ〇ネタにしてると直接的な映像で妄想力が無くなってエレクチオンしにくくなる…という、中学生の時に仲間内で囁かれていた噂を思い出したり。


2015/07/26 「高杉さん家のおべんとう」(553) 完結記念

と、いう訳でコミックス発売に合わせほぼコンスタントに「クローズアップ」してきた「高杉さん家のおべんとう」ですが、無事完結いたしました。「無限の住人」程長期ではないにしろ、楽しみに追いかけていた作品の1つなので感慨深いですね、やっぱり。

まぁ、大雑把に言ってしまえば予想通りの結末でした。要するに久留里はハルとくっつく訳です。これは対しては作中でも指摘していますが、似ている作品として以前「クローズアップ」で挙げた「一緒に暮らすための約束をいくつか」と同じく、所謂「源氏物語」パターンな訳です。恐らく、コレに対して

「女作者の嗜好パターンが丸出し」
「親子同然だった二人がくっつくのはキモイ」
「ホントはハルと久留里のセックスも描きたかったんだろ」

的な批判は…されるんだろうな、と。
ウチとしては、この作品に限らず「女作者云々」という批判に対しての意見は既にココで書いてますし、「親子同然云々」というのも血のつながりは無い、という事は大分前にネタになっていた訳で、原作(エロゲ)の段階ならともかくアニメでも近親相姦やらかしちゃった某作品じゃあるまいし…今更コレを前面に出して文句言うのは「ちゃんと全部読んで物を言ってるのか?」と勘繰りたくなるレベルな訳で、分かってて言ってるんだったらもう、「ストレートな感想ですね」の他に返す言葉がない話です。コレ、考察とかではなく感情ですから、反論の余地がない…というより、した所で徒労に終わるでしょうからね。恋人に「仕事と私、どっが大事なの?」と聞かれるのと同じレベルですよ。(勿論言われた事ないけど/笑)

ついでに言えば、3番目のはセクハラ上司とかと変わらんレベルの下種っぷりでしょ。でも、7巻以降、不快感感じたなら読むの止めればいいのに、わざわざ読んで親の仇みたいな感想をネットとかで書き連ねる不毛な行為をよく目にするようになりましたから、今回もこれに近いニュアンスの記事とかコメントを上げる人…多分出ますよ、ええ、残念ながら。

…で、最終巻を踏まえての感想ですが、私としては久留里とハルの件然り、内容に関しては割と想定内と言いますか、予定調和なものだったのでこの部分に関しては強く言及しません。全巻踏まえた総論として考えていきますと、「高杉さん家のおべんとう」という作品は、「折り合いのつけ方」とか「落としどころのつけ方」を描いただったのではないか、と思った次第。

世の中良い人ばかりじゃない訳で、嫌悪感を抱くレベルの人と向き合わねばならない事もあります。やりたい事ばかり出来る訳ではないし、やりたくない事もやらなちゃならない場合がある訳です。生きてりゃ毎日平穏無事…なんて事はまず無い訳で、そんな中そういった事例にどう臨み、対応していくか、というのが本作の根底にあるんじゃなかろうか、と。

最終巻を読んで見て感じるのは、各キャラクターが何がしかの解答を出している、という点です。例えば、結果などとうに分かっている筈なのに久留里に正式に交際を申し込む丸宮弟、別居中の夫・ヨシュアとの関係を再度見つめ直す香山先生とそれを受け入れるなつ希、そして実の父親と会い、認知するという先方の提案を断り今まで通りハルと暮らす事を選ぶ久留里と、彼女の想いを受け入れる高遠夫妻…それぞれが「折り合い」をつけ、「落とし所」を見出だしていく訳です。

恐らく、丸宮弟が玉砕するのを分かっていて久留里への告白をしたのは自分の気持ちを明確に久留里に伝え、彼女の口から本心を聞く事で自身の恋に「落とし所」を得る為でしょう。

長年別居、旦那は海外暮らしが長く離婚寸前と言ってもいい家族関係を新たな形を提示する事で再び「家族の形」を作る香山一家も、なつ希も含めお互いが「折り合い」をつけた訳です。

久留里と高遠夫妻も、旦那は過去の清算と責任を取ろうという意思から、奥さんの方は自身の子ではないにしろ夫の血を継ぐ久留里を見て芽生えた愛情により引き取る事を提案するも、ハルの人となり…そして何より久留里自身の想いを受け入れ、自身の感情に「折り合い」をつける…ここで注視したいのはこの夫妻に子供がいない、という点でしょうね。これが違っていたら、この作品は全く別の結末になっていたかもしれない気がします。

そして久留里とハルの関係です。久留里の方は割と早い段階からハルを保護者ではなく一人の男性としての好意を抱いていたのは今まで本作を読んでいた人なら分かる筈。その想いが強く出始めたのは小坂さんとハルの関係を意識し出してからでしょうが、そんな彼女はハルがフランスに立つ直前、ハルへの想いに一つの「落とし所」をつけるためありったけの勇気を振り絞り告白する訳です。このシーン、間違いなく最終巻の山場でしょうね、やっぱり。

そしてその告白を受けたハルですが、そんな久留里の真摯な想いを保護者であるという自制心から「思春期特有の気の迷い」だと誤魔化そうとします。ここでハルの拒絶を受けての久留里の台詞

「ずるいよ ハル」

には恐らく男性読者諸氏は軒並み胸のあたりにキュンッとしたものを感じたでしょうな。(笑)

そして残り僅かな日本での生活でハルは葛藤し、ようやく久留里がもう保護が必要な女の子ではなく、一人の魅力的な女性になった事に気がつく訳です。ここでハルは久留里の保護者、という自分の立ち位置に対しての「落とし所」を見出し、今後の彼女との関係に新たな「折り合い」を見つけようと、久留里に告げる訳です。

…まぁ、その答えに4年も待たせるというのが不器用なハルらしいんですが。(笑)

柳原先生は現在中断してますが「理不尽のみかた」という作品を描いておられます。コレ、検察審査会というのが題材になっているんですが、コチラでも世の不条理や理不尽に対しての折り合いのつけ方、落とし所の見つけ方が描かれている作品です。

そういう意味で言えば、この「高杉さん家のおべんとう」も先ず話題として、表題でもあるお弁当や、売り文句としても使われた「ある日美少女の保護者に」という点、漫画の題材として扱われる事が稀な「地理学」とかそういう部分が注視された作品。小坂さんの一件で評価を手の平返しした連中はこういう要素に惹かれてこの作品に入って来た人なのかもしれません。

ただ、この作品の根本として常にあり、物語を通して一貫して描いてきたものとは、理不尽や不条理に落とし所、折り合いをつける為には、その理不尽や不条理に対し前を向いて真摯に受け止める事、という至極単純な…でも生きる上で実践はこの上なく難しい事だったのではないかと。幸せばかりの人生なんてありえない。後悔の上に更に後悔を重ねてそれでもなお前を向いて進むからこそ、一瞬の幸せを得る事が出来る、という。この辺はラスト、4年ぶりに帰国したハルが久留里を追いかけているシーンの裏で小坂さんが語ってますね。

最後に総評ですが、気に入らない人も、まぁいるとは思います…が、少なくとも私にとっては納得も満足も出来る良い結び方でした。

ホント、柳原先生には長い事楽しませてもらってありがとうございました、とこの場を借りてお礼申し上げます。


2015/07/05 「城下町のダンデライオン(1135)」 アニメ化について

と、いう事でウチでも紹介した「城下町のダンデライオン」と元は小説ですが「ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり」のアニメがスタートしましたね。
…まぁ、私は両作品とも見てませんが。(苦笑)
「ゲート」の方はちょっと興味あるので、評判次第ではソフト追っかけか何かしかの方法で見るかも知れません。

で、今回はあんまり見るつもりが無い方(失礼)の「城下町のダンデライオン」の方をば。基本設定やキャラクターデザインとその配置なんかを考慮すればアニメ化に向いた題材の作品だとは思うんですが、恐らく原作のファンも今回のアニメ化に関しては「???」となっている人も少なくないんじゃないかと。

と、いうのも現在原作のストックは近々3巻が発売されますが…コレだけ。
1クール放送で人気があったら2期…という狙いだったとしても、この作品、今の所原作の方がアニメの区切りに出来そうなポイントにたどり着けていない…というのが難点でしょうね。まぁ、近々リリースされる3巻にそういうポイントが置かれているのかも知れませんが、選挙をある種ネタにしながら、その結果は多分描かれない、というのが想像できてしまうんですね。

多分原作ファンの中にあるであろう戸惑いも、「なんでこの作品が?」というものより「まだ時期尚早では?」というものの様な気がします。まぁ、4コマ誌連載の作品が原作でストックがたまるのを待ってて時機を逸する位なら…という判断なのかも知れませんが。

ただ、本記事にも書いてますがこの作品は非常に「アニメ向き」の題材だと思ってます。

例えば、仲良し姉弟の日常がテレビで報道されていてその人気投票により次期国王が決定する…という要素は実際の視聴者の視点を彼女らを見守る市井の人々のそれに重ねられる…というのは強いですよね。それ即ち

「俺はやっぱり茜様!!」
「いやいや…ここはやっぱり葵姉さんでしょ」
「栞タンきゃわわ」

とか、ファン同士が盛り上がれる題材に直結する訳ですからね。一連のアイドルアニメとかに近い売り方が出来る訳です。実際アイドル活動を始めるキャラクターもいますが。
また、それぞれが特殊能力持ち、というのも動きを見せるアニメでは上手く使えば有効でしょう。基本日常モノな作品ですが、アクションシーンとかも入れられる訳で。
キャラクターだってライトノベルの挿絵なんかを手掛けている人ですから、それなりにその筋では知られているのかも知れませんし、少なくともラノベの挿絵、という事は今風の受ける系統のデザインをやれる、という事ですし。

まぁ結局アニメ版はスタッフの手腕次第になっちゃうのかな?と。
一応1話の段階で言われている「キャラクターがいきなり9人で多過ぎて覚えられない」というのは、開始早々20人オーバーで更にメンバーやライバルが追加された某作品(笑)ですら大体のメンバーにそれなりの見せ場を与えた人がシリーズ構成担当ですし、個性豊かなキャラ配置なので問題ないかと。続けて見ていけば覚えてくんじゃない?と。

むしろ、原作読んでる時点で思ってたんですが…9人…しかも年子や双子も含むって…王様と王女様頑張り過ぎだろ、と。姉弟の多さよりそっちのが気になったわ。(笑)

あ、ちなみに一話の段階で誰が良いだのなんだの語ってる人、本作で一番可愛いキャラクターはまだ未登場(だと思われる)花さんだぞ!!と。(笑)
そういえば、花さんの声を当ててるのは前期(って言うのか?)で唯一私が追っかけたアニメ「えとたま」のウサたんの人みたいですね。そういやモ〜たんの人とか武部殿の人の名前もあったっけ。

まぁ、そんな訳で「城下町のダンデライオン」のアニメスタート記念ネタでした。



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