100選クローズアップ編 その11


2015/06/03 Amazonとかのレビュー欄とか見て思う事

例えば、とある高校野球部が甲子園を目指す…という類の野球漫画で、体罰まがいのシゴキがバンバン描写されている、としましょうよ。それに対してこんなこと言う人がいたら…どう思います?

「ボクは経験者ですが、今時そんな過酷なシゴキや体罰をやっているなんてありえません。」

それから、あるバラエティ番組のコーナーを担当する芸人が収録中に突如失踪!ディレクターはたまたまそこに居合わせた素人の学生に間を持たせろと無理やりマイクを渡し…なんてコメディ作品があったとします。それに対して今度はこんな事言ってたら…どうです?

「テレビというメディアを愛好している者から言わせてもらえば、いきなりズブの素人を、それも無理やり引っ張り出してコーナーまかせるなんてありえないよ。」

…先ずこの発言に対して出てくる言葉は私の場合、「いや、コレ漫画じゃん」なのです。いやね、例えば某少女漫画の「そのキレイな顔をフッ飛ばしてやる」でお馴染みの"世界で最も腕の立つ殺し屋"みたいに、実在する道具の用法などに関しての間違い等に対して、漫画の描写を「ありえない」と作者の勉強不足をなじるのは…品性云々置いておけば私は「言われても仕方ない」とは思うんです。そういえばついこの前もちばてつや賞で大賞とった新人がヤンマガで連載した作品でも水中でガトリングガンをガンガン撃って失笑を買ってたっけ。

かのさいとうたかを先生にしたって、「ゴルゴ13」連載に関して銃に詳しい知人から当時最新鋭のM16を紹介され、本来狙撃用途には然程向いている訳ではないのにそれを採用してしまった…というのは良く言われるエピソードですし、その理由を作中でネタにして理由づけしたりした訳ですしね。

ただこういう…所謂小道具に関しての間違い、というか知識不足は庇いようがないんですが、そもそもマニアや本職でもなければ分からない様な細か〜い部分にまで重箱の隅をつつきまくるかの如く文句を言うのはむしろ無粋で大人げないとも思います。でも、小道具の使い方ではなくて物語の大前提である舞台設定に関する描写…それを個人の割と狭いであろう経験や知識だけで切り捨てるって…どうなの?それって変な形でフィクションと現実を混同しちゃってない?アニメキャラに「デュフフフ…〇〇タソは俺のヨメ」とか言ってるのと変わんないんじゃない?それともアンタは「北斗の拳」読んで「指一本突かれただけで身体が爆発するのはおかしい」って言っちゃう人なのかい?と。

ノンフィクションとかドキュメントとか名乗っていない限り、漫画なんて結局はファンタジーなんですよ。現実世界に似た舞台で物語が流れていようとも、所詮は「事実を元にしたフィクション」どまり…リアリティはあってもリアルではないんです。漫画とかアニメ…映画とかドラマもそうですが、そういうのを嗜好するなら、そこの大前提はキッチリ弁えて考えないとダメだと思うんですわ、ええ。

更にもう一点。
ある作品の評にて、こんな事を書いている人がいたとします。

「こんなものにコミックスの代金を払わされる客が可哀想だ」
「こんな作品を面白がるのはそろそろやめにしよう」

…どう思います?
何も感じない人は感じないのでしょうが、私は非常に不愉快に感じるのです。もしコレが次のように書かれてるんだったら、気になりません。

「こんなものにコミックスの代金払わされていい迷惑だ」
「こんな作品は面白くない」

さて、どこが違うでしょう。(笑)

前者の意見って、自身の言葉で語ってないクセに他人を扇動してる風なんですよ。言いたくなりませんか?「他人を巻き込んでんじゃねーよ」って。まぁ、前者の様な文言が評に含まれていても前後の文章でまぁ、品性云々置いておけばまぁ分かる…というのもあるにはあります。ですが、性質が悪い事に大抵この手の評には具体的な部分が欠如してるんです。挙句、作者に出るとこ出られたら負けるレベルの誹謗中傷まがいな「脱線」まであって、作品のレビュー足り得ていない事が多いんですわ、コレが。

私が思うに、多分この手の物言いをする人物は自身がその作品が気に食わない部分を自覚していない…もしくは自覚していてもそれが割と程度が低い部分に集約してしまう事が分かっているので敢えてすっとぼけてるかのどっちかかなんじゃないかな、と。

まぁ、一つ救いがあるとすれば、この手のレビューは大抵「参考になった評」が極めて少ない点でしょうか。ああ、皆様やっぱり分かってらっしゃるんだな、と安心します。ま、ファン側が批判めいた記事に対する腹いせで「参考にならなかった」してるんだとは思いますが、それにしたってAmazonとかのレビューって個人が自己表現する場所じゃねぇんだぜ、と。「Yahoo知恵袋」とかもそういう傾向在りますが。

私もこんな批評めいた記事書いてるサイトやってる身なのであんまり大きい事は言えませんが、もうね、漫画…というか、実用書を除外した書籍全般やゲーム、DVDとか音楽CDなんかもですが…「面白いと思った」のか「つまらないと思った」のか、もしくは「好き」か「嫌い」かどっちかだけ書くようなシステムに変えた方が良いんじゃねぇかなぁ…と思えてならないんです。いや、「kindle版だと線が潰れちゃってる」とか「kindle版には単行本のカバー裏掲載のオマケ4コマが無いのが残念」なんていう商品そのものに関するモノには有益なコメントが多いんですけどね。ま、私はkindle持ってませんけど。(笑)

まぁともあれ、レイコックは心が狭い奴だ、なんて言われてしまうかもしれませんが、買い物してる途中でどっかの誰かが垂れ流す自己表現なんざ邪魔なだけでしょ。そんなもの、映画のCMで若いカップルに「めっちゃ凄かった〜」とか言わせてるのより参考にならんでしょ、と。そういうのやりたけりゃ自分のブログとかTwitterで正々堂々とやれや、それが出来ないと言うならチラシの裏にでも書いてろよ、それはめんどくさいというならモノ書いて人に見せる資格がアンタにはないよ、と。

何の自慢にもなりゃしませんが、感想系HP立ち上げて10年オーバーで、かつAmazonさんには大変お世話になってるヘビーユーザーな私はそんな風に日々思っているのです。



2015/05/25 「波よ聞いてくれ」(1241) 1巻 

私は「無限の住人」から沙村先生の作風が大好きなので、贔屓目とかはあるんだと思います。でもね…

久々なんですよ、第一話32ページ中、1/3程度読んだ時点で「コイツは絶対に面白くなる漫画だ」と確信できた漫画って。

アニメとか漫画で「つまらなくても4話までは我慢しろ」みたいなのがありますが、本作「波よ聞いてくれ」は初っ端から我々を殺しに来るんですよ、そりゃあもう凄い勢いで。私もたまたまwebで1話無料公開されていたのを見てこの作品を知ったんですが…この第一話だけでもう完全に殺されてしまいました、ええ。

中身を大雑把に説明すると、スープカレー屋「ボイジャー」勤務の鼓田ミナレさん(30手前)は彼氏から犯罪まがいの事をされて失恋。そのウサを晴らしに訪れた居酒屋で麻藤という中年男に半ば絡むような状態でクダを巻く様をラジオで流されてしまう。ラジオ局に怒鳴り込んだミナレさんは待ち構えていた麻藤にマイクを渡されてしまう。その喋りで麻藤に気に入られてしまったミナレさんはスープカレー屋をクビになり、深夜ラジオの冠番組を任される事に…

…というのが、1巻までの流れ。現実世界ではありえないレベルの展開の早さですが、このスピード感が実に心地よく、グングン物語に読者を引き込んでくれます。中身もクソ真面目で鼻につく様な部分が皆無…乗りと勢い重視な作品なんですな。でも決して軽くは無く、キャラクター達が抱えている人生という奴はちゃんと見えてくる…この感覚が、先ず凄いんですよ。主要キャラクターが誰も彼も死んでいない…生々しいまでに生きてるんですね、作品世界で。

で、主人公の鼓田ミナレさんのキャラクターがまた素晴らしい。イメージとしては「無限の住人」の百淋さんや、「おひっこし」に収録されている「少女漫画家無宿 涙のランチョン日記」の主人公・船橋夏見に近い感じで、彼女を慕う真理路みたいなキャラクターも登場します。まぁ、基本的にノリが良く破天荒、不器用で暴走しがち…でも人としての弱さも見え隠れ…的な、沙村先生の作品にはありがちなキャラクターとも言える訳ですが、彼女の場合、発する言葉がまぁ面白い事面白い事!!

切る啖呵がもうね、殆ど勢いなんだろうけど何だかミョーに力強いというか…暴走している風なのに何だか核心をついているというか…そういえば、カレー屋追い出されて住むところまで追い出されたミナレさんが居候決め込む事になったラジオ局の同僚・南波瑞穂も

「ああこの人私がぼんやり思ってた事を言葉にしてくれてるって…」

何て言ってますが、正にそんな感じ。それに対するミナレさんのつぶやきは

「私はブルーハーツだったのか」

でしたが。(笑)
ちなみに、南波瑞穂…という名前と「一生処女でいてよ」という台詞でピンと来た人は沙村作品通かも。そう、「シスタージェネレーター」に収録されている「久誓院家最大のショウ」のチキン南波んことあの娘です。当時高校生でしたが、随分と立派になられて…。(笑)

まぁとにかく鼓田ミナレという人、多分実際に身近にいたらさぞ迷惑な人なんだろうなぁ…と思いつつも、でもこの人と酒飲んだりしたらすっげぇ楽しいんだろうなぁ…とも思わせてしまう…罪な魅力の持ち主かと思うのですよ。

そんな彼女に会いたい…とこの記事読んでちょっとでも思った人は、是非「波よ聞いてくれ」というタイトルを書店でお求めくだされ。ホント、傑作になる予感がガンガンする作品ですよ。



2015/05/19 漫画批評を見て思う所

よく、漫画なんかの批評的な意見で、「作者が女である事」を否定の根源として使っている人を見ます。例えば、

「典型的な女性作家の思考だから深い作品が書けない」

的な物言いです。
最近、批評系とか感想系のブログだとかの…特にコメント欄にこういうモノ言いする輩を割と目にしませんか?

凄いですよね、実際。私は37年生きてますが、女性の考えてる事なんかサッパリ分かりませんよ。
だってフツーのお姉さん、お嬢さん、おばさんに見える人がさ、婚約者を次々と殺して保険金せしめちゃったり、同級生を殺して死体を解体したり、友達に毒盛って殺しちゃったりする事もある訳でしょ?ですから口が裂けても「典型的な女性嗜好」なんて枠にはめての物言いなんか出来ませんわ、私は。

…いや、分かってるとは思いますが嫌味で書いてますよ、コレ。
正直、私はフェミニストではないですし、むしろ何かと言うと…それこそ大して関係が深い様には見えない話題ですら、男女差別だの男尊女卑だのという部分のみ固執して意見を語りたがる、田島〇子ナイズな思考の人とはお近づきになりたくありません。
でも、血液型占いよりも低レベルな類型論…いや、とても類型論何て呼べないただの偏見、思い込みを前面に出して作品を評するって…キッツイ言い方をしますと、低レベルです。それこそ、飲み屋で酔っ払いが女の口説き方みたいなのをグダグダ言ってるのと変わらん程度ですよ、ええ。

少年誌、ないし青年誌連載の漫画の評論とかでこの手の意見をよく見るんですが、その根本にあるのは「女ごときが俺らの世界に入ってくんじゃねぇ」的なチ〇ポ至上主義的な思考だと思うんですが、じゃあ少年誌とか青年誌の作家が描いてる作品で、あんまり使いたくない言い回しではあるんですが…どれだけ「リアルな女」を描けてる人がいるか、っていったら、いないとは言いませんが、かなり少ないと思うんですよ、私などは。

でも、多分この事に関して「男性的思考でしか女を描けていない」とは批判しないんだろうね。でもこれ、ダブルスタンダードって奴なんじゃないの?と。

そもそもさ、作品の批評に作家の性別って重要?別にそんなの分からなくても作品を読み込めば書けるよね、批評文なんて。「典型的な女性嗜好」なんてお題目を出しちゃってそれで自分が満足しちゃってるから、そこの理由付けが男性作家の似た演出のある作品との比較論…風に見せた主観による思い込みだったり、使う言葉も「キレイ過ぎる」「闇が描かれない」「絶望感が足りない」とかそんなのばっかりで具体的な部分には踏み込まないんです。

あんまり人様の事にケチつけられる立場でもないし、この手の事で論議しても絶対に自分を曲げないから平行線で不毛でしかないんだけども…それでも言いたくなってしまうんです。

アンタ、批評とか書かなくていいから「面白い」か「つまんない」かだけ書いとけよ、と。



2015/04/28 「えとたま 干支魂」(1175) アニメを見てみましたよ

最近、何故か連続で出会う事になった題材に「干支に入れなかった猫」をネタにした作品、というのがあります。まぁ、「えとたま」と「恨み、来、恋、恨み恋」(1147)な訳ですが。干支というモノ物語を作る上で意外とネタにされていて、有名どころではジャンプで連載していた「忍空」とか、少女漫画の「フルーツバスケット」とかがそうですな。

ただ干支は干支でもピンポイントで「干支に入れなかった猫」というモノを主軸にしている作品に当たったので、流行っているのかと思いきや別にそんなことは無い様子。ただ、ネット上で

アニメ版「えとたま」のCGの動きが無駄に凄い!!

という話を目にして、「そんな馬鹿な…」と興味を持った次第。漫画版の「えとたま」は…何と言いますか、ギャグオンリーのネタやってる時の「銀魂」とか…もっと言うとマニアックなネタに走り過ぎていない時の田丸浩史の漫画というか、もうそんな感じの作品。キャラクターがほぼ全員で徹頭徹尾ボケまくる…という変なテンションの作品でもあります。

アニメと同様に3頭身のプリティモードに変身してバトル…という設定もあるにはありますが、ほぼ死に設定と言いますか…まともに描かれていないので、アニメ版の「CGの動きが無駄に凄い!!」という評判が気になってしまった訳ですよ、ええ。

…で、見てみた感想ですが…

し、主人公がマトモだ…!!

いやね、漫画ですとタケルは完全ボケ要因…しかも時としてにゃ〜たんを凌駕するレベルなのに対し、アニメ版のタケルはいたってマトモな常識人です。ハイテンションにボケ倒す漫画版の彼の面影は微塵もありません。逆に漫画版では唯一のツッコミ要因であるウリたんがアニメではむしろボケ要員になってます。また、漫画版ではタケルに一目惚れして熱烈アタックを繰り返す、という濃い目のキャラクターなメイたんが序盤の数話では殆ど台詞無しです。

まぁ、コレは彼女メインのエピソードが来てないから、という事なのかもしれませんが、漫画版でのキャラの立ちっぷりからすると意外でしたね、ええ。あ、メイたんと言えば声当ててるのが西住殿の人・渕上さん。エリカ役の生天目さんとは「ガルパン」「プリキュア」と続いての共演ですな。他の声優は…恥ずかしながら…って別に恥じる事でもないんですが、存じ上げません。(苦笑)あ、タケルの人はアレだ、「ラーゼフォン」の綾人か。

…あ、漫画版とのギャップに驚いてしまってCGに関して何にも書いてませんでしたな。確かにCGの出来は良いです。3頭身キャラですが格闘ゲーム的な派手なアクションを見せてくれますし、何よりキャラの動きだけではなく背景とかが非常にキレイに作られているのが好印象ですね。それでいてアニメ絵を変な風に写実的にしちゃって却って違和感が…みたいな事は無く、アニメの絵がそのままCGとして動いている、というのが凄いなぁ、と。

まぁ、オタクギョーカイには手描き作画に固執してCGはどんな出来であろうと認めない、許さない的な偏狭な人もまだ見受けられますが、本作みたいに違和感なくアニメ的な絵を動かせるのなら、まるで「聖帝十字陵を作らされている攫われてきた子供達」の様に酷使されるアニメーターの人とかもいるそうですし、そういった人達の負担が若干でも減るのなら良い事なんじゃないかと。「ファフナー」みたいなCGになってからの方がアクションが凄くなってる作品もありますしね。

ただ…物語の作り方としては、同じ「干支になれなかった猫」ネタなら「恨み、来、恋、恨み恋」の方が好きなんだよなぁ…。漫画版の変なテンションも嫌いではないんですが。

ちなみに今回はアニメ版、動画配信にて視聴したんですが、ヒマがあったら続きも見てみようかな、と。物語はともかく、アクション目当てでもそこそこ楽しめる作品ですしね。
そんな訳で本日はここまで。



2015/02/23 「ゲート 自衛隊 彼の地にて斯く戦えり」(829) アニメ化記念特集

「戦国自衛隊」で自衛隊が飛ばされる先をファンタジーな世界にした様な作品…と思いきや、主人公一行の活躍に留まらず、異文化交流的なネタや分かり易いラブコメ要素、利権を巡る政治やら陰謀なんてモノまで封入した一大エンターティメントな幅広さを見せる人気小説「ゲート 自衛隊 彼の地にて斯く戦えり」がまさかのアニメ化決定!という事で、今回は漫画作品における魅力的な自衛官達、と題した特集をやろう、というのが今回の主題です。では早速どうぞ。

「バグスランド」(1042)
前作に当たる「BUGS 捕食者達の夏」の特戦群所属の主人公・伊吹亜蘭姐さんもカッコ良いのですが、今回注目したいのはコチラ。巨大化した虫の"スタンピード"から国民を守る為に終結した陸上自衛隊の部隊指揮官・竜一尉です。チョイ役っぽいキャラクターなのですが、彼が虫群が防衛線に到達する直前に発した号令が、実にユーモアに溢れていて魅力的なのですよ。その号令がコレ。

「各員!まもなくここにも虫群が到達する!
我々の目的は討ち漏らした虫群が防衛線に近づくことの阻止!
ならびに残敵の殲滅だ!
焦らず任務を果たして欲しい!
よってこれより中隊長権限により言論統制を実施する!
『俺、国に帰ったら結婚するんだ』
『俺、もうすぐ子供が生まれるんだ』
『俺をおいて先に行け!』
『殺人鬼なんかと一緒にいられるか!俺は部屋に戻る!』
以上の言葉を禁止する。
違反者は厳罰に処するからそのつもりで。
以上だ。」


良いですよね、コレ。海自艦・かしまにクイーンエリザベス2世号が入港の際に接触事故を起こした時のエピソードにも通じるネタかと。実戦…つまりは死地を前にした部下達の緊張を解くつもりの発言、ユーモアなのでしょう。良い上官だと思いますよ。あ、ネタバレですが亜蘭姐さんはコチラでは特戦群を除隊し、「闇のイージス」に登場したあるキャラクターの仲間になってます。

「タブー・タトゥー」(1186)
死亡フラグ関係で言えばこの作品の自称"プロ主人公"の玉城さんは外せません。主人公と同じく呪紋を宿す自衛官(三佐)なのですが、この人は…トンデモナイキャラクターです。彼の登場するシーンは完全に主役が喰われちゃってます。

この人、「ゲート」の伊丹とも気が合いそうな二次元趣味の人ながら、コミケでコスプレ売り子をやっている幼馴染の眼鏡美人(この人も玉城さんと同様濃い目の人/笑)と付き合っている隠れリア充でもあります。発する台詞が悉く面白い上、屈指の死亡フラグクラッシャーで、味方キャラはおろか、ラスボスすらそのタフさに「こやつホントに人間か?」と呆れられる程。それでいてギャグもこなせるナイスガイなのです。

アライブにて結構長く連載している作品ですが、イマイチ話題になっていない気もする本作も、「ゲート」と同様アニメ化の企画振興中なんだそうで。多分、玉城さんが原作通りのキャラクターだったらネット界隈で大人気間違いなしになると思います。

「まりかセヴン」
…ナンバーを記載してないのは「100選」内で見つけられないからなんですが…書いた記憶はあるんですが…書いてなかったかも。まぁ、そのうちもう一回紹介記事書くかもしれません。(苦笑)

本作は主人公のまりかとセヴンのサポート的な役割を自衛隊が担っていて、まりか達と自衛隊の共闘関係を成立させ、彼女の上司的存在でもある情報部少佐(現実では三佐ですが劇中呼称で)の鈴森さんを始め自衛官キャラが多数登場しますが、まりか達と前線で戦う面子も魅力的な人がいるのですね。その代表格がコブラを駆る「ブルーサンダー」こと海野さんと、10式戦車「レッドスコルピオン1」の車長・緋村さんの二人。

二人ともコードネームは初期から出てましたが、名前が明かされたのは登場から結構経ってからなのですが、変身、巨大化したまりかセヴンに対し、「わりとカワイイです」と言ってみたり、怪獣に踏まれそうになっても「怪獣に踏まれて死ぬなんてある意味戦車兵の理想の花道」なんて言ってみたりとミョーにキャラが立っていて、人間臭いんです。どう見ても「ウルトラマン」とかをネタにした作品なのに、科特隊みたいなチームがなく、「ウルトラマン」とかでは科特隊以上に当て馬な扱いになりがちな自衛隊(防衛隊とかになってますが)張ってる…というのが引き立ってるんですよね、コレで。

ちなみに「レッドスコルピオン」はドルフ・ラングレン主演のドンパチ映画、「ブルーサンダー」は攻撃ヘリを題材にした映画が元ネタ。他にもウチの日記でも感想書いた「ホワイトタイガー」とかも登場します。

鈴森少佐も自衛隊の広報活動の一環として週刊誌に水着グラビアが載った事があったりと、いるだけキャラになっていないのが魅力。ぱっと出の指揮官にすら、

「今憲法違反関係ねぇだろ」
「その言い回し微妙に認めてます」

なんてメタなネタも出していたりしてますし。(笑)

しかし、只でさえ非難の矛先にされてしまう事が少なくない我らが自衛隊…度重なる自然災害での献身的な活動でイメージが向上し、一昔前程は馬鹿みたいに騒がれなくはなったものの、芸能人上がりの反原発馬鹿議員のスタッフに「人を殺したくて自衛隊になった人もいるんですかね」なんて失礼な発言をされてしまう等、偏見めいたモノを持ち続けている人も未だいる訳でね、ミョーに好戦的に見える本作の自衛隊の姿が、例のISILとかと変に結び付けられて放送延期、とか企画頓挫、なんてならなければ良いのですが。こういう偏った主張をする人ほど声が大きいですからね、厄介な事に。

さ、こんな所で今回はお開き。
脇役ですが、こういう部分に注目していくのも中々面白いですね、ええ。



2015/02/01「恋は光」(1185)

さて、久々に「100選」にアップと同時に「クローズアップ」します。恋愛モノマスターの異名を持つ秋★枝先生の新作「恋は光」です。先ずは「100選」よりやや詳細な物語に関しての説明をば。

少々理屈屋な所がある変わり者の大学生・西条は恋をしている女がキラキラと光って見える。これは比喩とかではなくて物理的にそう見えてしまう…といっても、本当に光の原因が恋愛感情なのかは定かではないが、過去の教訓やその光がとても美しい事から西条はそうだと信じている。そんな彼はとある講義で「恋というものを知りたい」というちょっと浮世離れした女性・東雲さんに恋をする。西条は小学校からの腐れ縁で唯一親しい女性・北代さんからの助言を得つつ東雲さんに近づくが、実は北代さんも随分と前から西条に対し友情以上の好意を寄せていた。そんな折、他人の男に興味を持つ病気の宿木も西条に興味を持ちだして…。

という作品です。

…で、今回いきなりクローズアップした理由と言うのはもう単純。北代さんなのですよ。以前、クローズアップにて「不器用な匠ちゃん」の藍川さんに関して

「もしかするとここ数年間で最も私が”萌えた”ヒロインかも知れませんよ。(笑)」

等と書いとるんですが、あちらは先日発売された最新刊で意中の人とめでたくゴールしたので、次なる「レイコックが一番萌えている漫画ヒロイン」として北代さんをクローズアップしてしまおう!!という事なのですよ、ええ。(笑)

解説でも書いている通り、西条という男はやや理屈屋で決して人付き合いが得意なタイプという訳でもなく、容姿も冴えない男なのですが…そんな彼を一途に思い続けているのが北代さんなのです。

北代さん本人は人当たりが良く社交的。見た目も美人さんで、劇中でもファッションメガネをかけたり髪型が「恋愛ラボ」のリコ並に変化していたり、というかなりのオシャレさん。しかも表情豊かで性格に嫌味がない為異性のみならず同性からも受け入れられる人気者…という西条とは真逆と言っても良いタイプ。

それだけでも魅力的なのに、彼女は小学校の一件以来つるむ様になった西条の事を一途に思い続けている…という乙女な部分もある訳です。たまに思わせぶりな台詞も吐いたりしているのに、西条曰く

「皆無なり(北代さんに「センセに対して光ってる女子は?」と聞かれ)」
「気持ちはありがたい…が、お前、人を好きになったこと、ないだろう?(東雲さんとの恋に協力すると言った際に)」
「何を突然。お前もいないだろう?(北代さんに「センセは好きな人いないの?」と聞かれ)」

…不憫過ぎるよ、北代さぁぁぁぁぁんっ!!

しかも、そんな変な風な形で振られちゃってる西条が惚れた東雲さんとの恋を応援したり、西条が略奪愛が生きがいな宿木さんと付き合いだしても

「私はセンセがどんな結論を出したとしても、それで色々ゴタついても、こうして一緒にいてやるよ」
「センセはさ、変わり者な上に浪人してっから同学年の友達もいないし、妄想家で偏屈、目つきも悪いし喋り方も変だし身長も平均、とどめに貧乏…ってワケで、あんなの仮にどんな女の子と付き合ってもフラれるっしょ?そうなると、最後は私のところに帰ってくるしかないじゃん」
「さっき東雲さんを100、私を60って言ったけど、あれは瞬間の最大値をとったからで、過去からこれまでの平均をとったら負ける気はしないんだが」
「飲んだ日に東雲さんの言った通りに気持ちを伝えるだけ伝えていれば、今頃私がセンセのカノジョに…いや、私では東雲さんを好きでも構わない…とは言えなかった」 

…とか言っちゃうんですよ?健気過ぎるでしょ、北代さぁぁぁぁんっ!!
つうか、彼女の場合は器量良しでもあるんですが、同性と同じ様な感覚で話せたり付き合えたりする異性って貴重だし、それだけでも魅力的だと思うんだけどなぁ…。

肩が凝らないというか…そりゃね、アイドルみたいに可愛かったりグラドルみたいにエロかったりモデルみたいにキレイだったりってのも魅力的なんだけど、そういうのとは違うベクトルでさ、何と言うか…長く付き合えるというか…嫁にするんならこういうタイプの人の方が良いと私は思うんですよ、ええ。北代さんの場合、コレに加えて容姿もばっちりなんですからもう怖いモノ無しだと思うんだよなぁ…。

でもこの感覚、北代さんが西条に好意を抱いてる理由でもあるんだよね。彼女曰く

「センセのいい所は、まず少し人とズレている所。ちゃんと話を聞こうとしてくれる所、とか。すぐ変なこと言いだすから、話してて退屈しない所とか、そう、つまり話していると楽しいし、ずっと一緒にいるのが苦じゃない…というか、センセの周りの空気は"楽"が満ちていて、私はそれが好きなんだ…」

という事らしいんです。
うん、分かりますね、こういう感覚。私も中学の頃、割とこじらせ気味だったんで女子からはそりゃあ嫌われていた…ある意味西条と同様「特定の女子にハブられていた」クソガキだったんです。でも、中には席が近くなったりで良く話したりする様になると、「あんたって案外面白くて良い奴だよね」なんて言ってくれる女子も稀にいたりして、それが小躍りする程嬉しかったりしたモンです。まぁ、実際はその娘からの私の印象がマイナスだったのがプラマイゼロに近づいただけ、なんでしょうけど(笑)、当時の私もある意味西条的な、気取らずにモノを言い合える異性でいられたのかな、と。

ともあれ、メインヒロインで状況はどうあれ一番西条と相思相愛に近い東雲さんを差し置いて北代さんをたまらなく応援したくなってしまうのです、私は。

でも、北代さんや東雲さんの好きな人を奪いたい…という不純な動機で西条の彼女の座についた宿木さんも最近、北代さんが言う所の西条の良さに気がついたらしく

「何だろう…一緒にいると何か…楽で、いいかも」

なんて言い出す始末…やっぱり不憫だよ北代さぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!(泣)
こりゃあもう編集部に「西条は北代さんとくっつけてくれ」ってハガキでも出すか?(笑)

と、いう事で「新・レイコックが一番萌えている漫画ヒロイン」の北代さんとその出演作「恋は光」の紹介でした。


2015/01/12 「神様ドォルズ」(1150) アニメの主題歌にハマッて

…と、いう事で年末動画を見つけて完全に中毒になってしまったアニメ版「神様ドォルズ」の主題歌で、石川智晶さんの「不完全燃焼」…アニメのオープニング動画からそのパロ、曲そのもののプロモーション動画とか見まくった挙句、CD買ったりもしてしまった訳ですが…もうね、コレ名曲ですよ。ちなみに石川さん、物議を呼んだアニメ版「ぼくらの」の主題歌や、「ガンダム00」のオープニング曲、See-Sawsというユニットで「ガンダム種」のエンディング曲も歌っている人ですね。

https://www.youtube.com/watch?v=p9tf28uU8Lw

一見では"迷"曲かとも思えるんですが、クセとインパクトが凄く強い上に歌唱力自体がもう非常に高く、歌詞そのものの中毒性も相まって未だ頭から離れません。それこそ、この歌をキッカケに原作漫画を読み直している最中も「〜だろ」という台詞が出る度、脳内で

♪そ〜なんだろ〜そ〜なんだろ〜

と流れる位。(笑)
また、アニメ内容から乖離したカッコつけただけのオープニング曲とは異なり、この「不完全燃焼」はアニメ…というより原作のイメージにもマッチした正に「主題歌」です。1番…特に、

♪予想外に際立つ力を〜可能性と呼ぶのは〜やめてくれ〜やめてくれ〜

の下りは匡平の、

♪厄介者と呼ばれたら〜褒め言葉より最大の〜ディフェンスだ〜ディフェンスだー〜

の下りは阿幾…それぞれの慟哭が聞こえて来るような感覚すらあります。
コレ、実は作詞作曲も石川さんで、監督から歌詞を匡平と阿幾の心情を歌詞に反映させてほしい、という様なオファーがあったんだとか。と、いう事はきちんと原作を読み込んで作詞しているという事なんでしょうね。アニメ本編でも各案山子の起動音を担当しているんだそうで、コレも各案山子(とその隻)にマッチしています。

さて、アニメは原作の在庫が少ない状態でスタートした為に原作の途中で終わってしまっていますが、原作の方はアニメの主題歌をもじって…終わらせ方が「不完全燃焼」、なんて言われてしまってます。

でも、私はこの終わらせ方がベストだったかと。確かに匡平達の2度目の帰郷以降はやや物語が駆け足気味になってますし、新キャラクターが多く登場する割にそれらへの説明は不足気味…特に匡平と阿幾の決着後のアレは…確かにオイオイオイ…となっちゃいますね。ただ、私は満足しています。少なくとも上手く畳んでくれている、と。

ラスト…阿幾の墓の前での匡平と日々乃さんのやり取り

「阿幾さんは、もう一人のあなただったのね」
「違いますよ。あいつは、僕の一番最初の友達です。」

コレがこの作品の象徴なのかな、と。突っ込んだ言い方をすると…友達であり、"共犯者"であったのではないかと思うのです。幼くして玖吼理の隻となり期待されていた子と、出生の経緯から捨てられ厄介者扱いの子…そんな二人が共通して抱いていたのは村に対する違和感、嫌悪感といったやや鬱屈した感情だったのでしょう。だからこそ二人は大人達の思惑とは裏腹に意気投合した訳です。

阿幾も言っている通り、キッカケを作ったのは匡平の方で、阿幾という存在がいれば村に何がしか…それこそ風穴みたいなモノを開けられるかも…という様な期待みたいなものを持っていたんじゃないかと。しかし7年前の悲劇を皮切りに二人には決定的な溝が生じ、結局匡平は阿幾から逃げ、阿幾の方は逆に匡平に執着する様になる訳です。そんな二人が最後にぶつかる…というのは、やっぱり必然だったんだと思えるんですよ。

もし阿幾が決闘の後死んでいなかったら…匡平も阿幾と共に村に残り、自身と過去、そしてお互いを見つめ直す生活をしていたのかも知れない…なんて展開があったのかも、とも思うのです。決着後、匡平が阿幾に「生きろ」といったのも、阿幾に対する自身の"罪"を受け入れたからこそ…でしょうしね。阿幾に対して何もしなかった…出来なかったという。

しかしまぁ、アニメ版では詩緒人気の方が圧倒していたみたいですが、原作ラストでは日々乃さんの…"選ばれた理由"が垣間見えましたね。彼にとって彼女は、「不完全燃焼」の歌詞を引用させてもらえば唯一、"予想外に際立つ力を可能性と呼ばない"人だったのではないかと。そういえば彼女、まひるに乳を揉みしだかれた直後にも匡平自身を真っ直ぐ捉えた台詞を言ってましたっけ。ちょっとぼんやりしている位が匡平に似合っている、と。

そういや日々乃さんは「ガルパン」の武部殿で「閃乱カグラ」のもやしちゃんの人。詩緒は「ガルパン」の会長や「ファフナー」の芹、「夜桜」のヒメや「アムネジア」の小此木さんでもありますねぇ。で、まひるは何と、「ゼーガペイン」のリョーコやココでもネタにした事があるアニメ「森田さんは無口」の森田さんやってた人。

…声優さんって凄いですね、役の振り幅とか。



2015/01/11 「荒野に獣、慟哭す」(219) 完結記念

掲載誌の休刊後、続きを期待されながらも「第一部完」のまま、長い事待たされてしまった感がある作品が、ようやく…ようやく完結いたしました。夢枕獏氏の人気伝奇小説をコミカライズした「荒野に獣、慟哭す」です。

単純に人気薄の為に打ち切り…なんてケースならまだ諦めもつく訳ですし、自身の趣味趣向のマイノリティっぷりを嘆くか、もっと簡単に編集部サイドを恨む…という怒りを向ける対象がある訳でマシなのですが、作者の死去や連載誌の休刊というのは…もうただただ残念と言うしかなく、怒りを向けるべき矛先もないというデッドエンドです。そんな中、この「荒野に獣、慟哭す」はある意味逆転満塁サヨナラホームランとでも言うべき事件なのかも知れません。

で、本作はコミカライズといっても原作を大幅にアレンジしたものになっています。本筋の流れは大まかには踏襲しているものの、キャラクターや設定、ストーリーの展開は完全に原作担当の伊藤勢氏の味付けになっています。基本的に小説から漫画…というのは近い様で違うんですよね、やっぱり。ライトノベルはどうなんだ?と言い出す人もいるんでしょうが、アレは言葉は悪いんですが、言ってみれば漫画を小説にした様なシロモノな訳で、最初っから漫画側にすり寄ったスタイルな訳です。人を選びがちな題材の小説に対し、大幅にアレンジ…言わば自分の土俵に作り替えて勝負しているのがこの作品なんですな。

…そういえば原作は1989年から2000年に渡って続いたのに対し、コミカライズ版も2009年にマガジンZで連載スタートし、休刊による休止期間を経て文庫コミックス化、最終巻が発売したのが今年2015年…奇しくも両方足かけ11年ですな。

本作の中身はこんな感じ。

ジャングル奥地の食人の習慣を受け継いでいる少数民族の脳から発見された未知のウイルスは人間の身体能力を飛躍的に向上させる力を持つ。このウイルスを利用して作られた独覚兵は能力と引き換えに異業の姿に変化した上、性格も本能も野獣じみた残忍なものに変貌する。御門周平は独覚兵ながら人間のままの姿を保った言わば独覚兵の完成形とでも言うべき存在だが、手術と引き替えに記憶を失っていた…。

というモノ。その魅力を語っていくとすれば、

・伝奇小説とされてはいるものの、派手なバイオレンス&アクションが多く、オカルト的な要素に拘らずとも読める。
・物語自体がジェットコースター的とでもいうべきスピード感があり、目まぐるしく変化する状況で読者を物語から飽きさせない。
・クソ真面目一辺倒ではなく適度にコミカルなネタを仕込んでおり、キャラクター描写が重くなり過ぎるのを防いでいる。
・キャラクター自体も大幅な脚色(性別や位置づけの変更等)がなされ、より漫画寄りな設定になっている。
・お遊びとして原作者の夢枕氏や作画担当の伊藤氏が出演。、そのクセキチッと世界観に溶け込んでいる上、おふざけではなく結構重要なポジションにいたりする。

と、こんな感じ。正に「読めば分かる面白さ」なんですよ、ええ。連載誌休刊による未完状態では人に中々オススメしにくかったコミカライズ版「荒野に獣、慟哭す」ですが、今回の…正直「まさかの完結」により、堂々とココでオススメ出来る作品となってくれました。ウチで紹介している漫画様品の中でもトップクラスのオススメ作品ですよ、マジで。


webにより再開と文庫コミック化の時点で「完結させる」というアナウンスがあったんですが、私は正直…半信半疑だったんですよね。でも、待ってみるもんだなぁ…と。



2015/01/03 「妖怪アパートの幽雅な日常」(843)、「地獄堂霊界通信」(820)

去年の12月19日、大学の病院にて上記二作品の原作小説を書いた香月日輪氏が死去されたとの事です。私の世代ですと小学生の頃の児童文学といえば、那須先生の「ズッコケ三人組」だったので香月先生の一連のシリーズはその後にヒットした作品…残念ながら直接氏の小説自体は読んだ訳ではないんですが、ココ「100選」では上記2作品の他、今度やはりコミカライズされている「大江戸妖怪かわら版」も紹介しようと思っていた所なのでビックリしています。

青山景氏の自殺…最後に連載していた「よいこの黙示録」が宗教を扱った作品なので謀殺、というトンデモナイ都市伝説めいた話もありますが、とにかくこの人の時といい、「アラクニド」のスピンオフ「キャタピラー」の作画で漫画家デビューだった匣咲いすかさんにしろ、そして今回の香月先生にしろ、書き手と読み手の関係でしかないんですが、気に行っていた作品に携わる人が亡くなるのはやはり残念ですし、寂しくもありますね。

これを機に、ウチで紹介している「妖怪アパート」や「地獄堂」、今後紹介する「大江戸妖怪かわら版」についてもっと興味を持ってもらえる様宣伝をばしておきましょう。

3作品全て…というか、恐らく原作者の香月さんの持ち味なのでしょうが、とにかくキャラクターが真っ直ぐなのが好感が持てる作品達です。「地獄堂」の悪ガキ3人組にしろ、「妖怪アパート」の夕士にしろ、「大江戸妖怪からわ版」の雀にしろ、苦難に立たされたり思い悩んだり…時には人としての無常、行き詰まりの様なモノを感じたりした時でも常に真っ直ぐに答えを出していく様が、実に魅力的なんですよ。

そしてそんな折彼らを支え、導く立場の大人達も人としてちゃんとしているのも好感が持てます。大人として描かれる彼等のアドバイスを、主人公達がとても真摯に受け止める…という構図は、もしかしたら「今の日本に最も欠けている部分」と言っても言い過ぎでは無いかも知れません。この辺は児童文学として愛された理由でもあるんでしょうね。

あ、児童文学=ガキの見るモノ、と考えるのはちょっと早計ですよ。少なくとも香月氏の作品は大人が読んでも引き込まれるモノがありますし、考えさせられるネタも多いのです。よく勘違いした人が「子供向け」という言葉をマイナスな評価…言わばレッテルとして使う人がおりますが、子供ってのは大人の真似をしたがるものな訳で、そんな大人が面白くない(というか面白さを見出せない)モノを喜んで受け入れる筈がないんですよ。そもそも「子供向け」というレッテルを貼られた作品だって、元を正せば「大人が作ったもの」な訳ですからね。

そんな訳で、この場を借りて香月先生のご冥福をお祈りいたします。



2015/01/02 「へヴィーオブジェクト」(926)「へヴィーオブジェクトS」(927) アニメ化について

「とある魔術の禁書目録」とそのスピンオフ「とある科学の超電磁砲」に続いてアニメ化のアナウンスがあった鎌池氏のライトノベル「へヴィーオブジェクト」はアニメ化に先行して漫画になっています。といっても何故か作画担当を途中交代&途中で完結(原作もまだ未完ではありますが)という変なスタイルでした。そんな訳で私はコミカライズ版しか読んでおらず、原作についてはよくワカランのでその点ご注意をば。

まぁ、アニメに合わせてなのでしょうが「フルメタルパニック」も途中で作画担当が交代してタイトル変更…という似たようなスタイルでしたし、ラノベのコミカライズとしてはこの手のパターンは少なくないのかもしれませんね。多分「へヴィーオブジェクト」もアニメがそこそこ好評だったらまたコミカライズも再開させる算段なのかも。その際はまた作画担当が変わってしまうのかもしれませんが。

さて、アニメ化という事で作品内容を説明しておきます。

50m、20万トンを超える巨体を持ちながら時速500kmで機動し、機銃や砲弾はおろかミサイルまで受け付けない強固な外装、100門近い各種兵装を併せ持つ最強の兵器「オブジェクト」の登場は今までの戦争の在り方を一新し、既存の兵器の殆どが過去の遺物と化した時代。オブジェクトの設計士を目指す学生・クウェンサーと相棒のヘイヴィアは生身でオブジェクトを撃破する前代未聞の戦果を挙げる…というモノ。

「メタルマックス」で例えるならメカニックとソルジャー二人でダイダロスとか機甲神話マルドゥクと戦う…みたいなイメージですかね…って、分かり難いか。もっと分かりやすく言うと、相手がAT以上の機動性を発揮する地上戦艦になった「機甲猟兵メロウリンク」(但し悲壮感ナシ)って所かと。

要は、超巨大かつ超強力な兵器を知恵と勇気でぶっ壊す…という分かり易い爽快感を重視した作風ですね。基本的にオブジェクトというデカブツ万能兵器の存在以外は魔法的なモノは無く、科学技術やらミリタリー側に特化した印象のある作品ですが、言わずもがなでその筋のマニアに言わせればツッコミどころの多い作風でもあるんだろうな、と。この原作者の作品…といっても私はコミカライズ版しか知りませんが、読んでいて「」おいおいおい…」となる部分はこの作品でも残念ながら共通.…というよりむしろ本作の方がそういう部分は多いのかも。

ただ、ツッコミどころの多い原作持ちだからこそ、スタッフの真価やファンの資質が問われる作品になるんじゃないかと。確かにトンデモナイ設定をツッコミながら笑い飛ばす…という楽しみ方もアリだとは思うんですが、もう一歩そこから歩を進めて「どうやったら説得力が出るか」を自分で考えて補完していく、という遊びも面白いと思うんですよ。

実際そうやって完璧とは言えない作品設定とかをファンが自主的に補完していく事で世界観が広がり更に盛り上がった作品…の代表格が、今も良し悪しはともかくシリーズが継続中の「機動戦士ガンダム」の始まりな訳でね、提示された設定をホレそのまま「こんなモン無理」で結論づけてしまうというのは、少々受け身が過ぎるし第一面白くないと思うんですよね、私は。

個人的には「禁書目録」や「超電磁砲」より好きな作風なので、アニメ化でどう評価されるかは楽しみだったりするんですよ。相変わらずよっぽどでない限りアニメは見ないと思いますが。(苦笑)



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